作家でごはん!鍛練場

『G(ゴールデン)knightとG(グリーン)knight4話』

零斗留ト著

腐った夢を振りかざす男達の、醜悪劇4話です!
(⌒▽⌒)
本来は次の5話含めて、第3話終了となります。
今回は主役2人の過去。主役ライダーなのに強者補正が2話で終わっちゃうなんて……。でも最初に嘘がバレたエンディックから、這い上がるのも納得。


活躍回というより、復活回1番早いのが、主人公たる所以かしら。思えばそれが本作の担当回に当たるのかもね。
てか本当エンディックが絡むと、緑昇さん本人が喋ってるよなあw同族嫌悪だこれ。
ちなみに顔出しした高慢のライダーは、ストロンガーではなく大気圏突入甲虫にしましたw

今回の内容は、
▲ヒーローに救われなかった、登場しなかった人物の言葉
▲偶像崇拝の末路
▲主役降板後の主人公
▲押収された殺意と自殺願望
▲錬金術が使えない錬金術師
▲夢を叶える努力の前に、夢その物になれる手段が有った
▲犯人が呑気に人質に銃を向けてかれるのだから、こちらは安全に撃ち殺せばいい
▲善悪で殺人するなど、神にでもなったつもりか?
▲人を害する者に人生など許されない
となっております。

今回も名前の所を、前回のリンクにしときました〜。

(腐乱夢)

「悪いことをしてはいけません。他人を傷付けるのは悪いことです。逆に良いことをしていれば、きっと幸せになれるのよ?」
「じゃあさ! 良い子にしてれば、勇者に会えるかな?」
「えぇ、貴方が困ったときに、きっと誰かが助けてくれるわ」
 そう言ってくれた母の声が聞こえなくなって数瞬、男の子は闇の中でじっと耐えた。
 彼は今、自宅の中のクローゼットに隠れている。少年の視界に光はなく、しゃがんで身を固くし、闇の外から聞こえる乱暴な台詞が止まるの、怯えながら待っていた。
 お母さんと朝までここに隠れると約束した。必死にこの夜の終わりを待っている。
「アニキ~、やっぱり有りましたぜ子供の服。旦那に逃げられたのは、子供が出来なかったからだって言うから手伝ってやったのに、やっぱ子持ちだったスよ」
「んだよババア、嘘付きやがって。嘘吐きだから泥棒が来ちゃうんだぜぇ? さてどこかな?」
 男の子は声を出しそうになるのを耐え、必死に身の安全を祈った。
(神様、勇者様助けて下さい! 僕はずっと良い子にしてきました! お母さんの言うことも聞いてきたし、誰とでも仲良くしてきました! だから助けて! 悪物からお母さんと僕を助)
「居るじゃん、ガキ」
 彼を守っていた闇に、蝋燭か何かの光が浸食し、浮かび上がる見知らぬ男と目が合った。
 悲鳴を無視した大人の手は、男の子を部屋に連れだして、床に転がす。
「あ……お母さん」
 倒れた先の床に母親が寝ている。彼女の目はうつろで、首には剣が刺さっていた。
 男の子は安堵した。
父親の顔を知らない彼にとって、母と離れるのは、とても怖いことだったからである。
(お母さんと一緒なら怖くないや)
「アニキ~、子供に優しくしないとダメっすよ。オイラに任せてくれっす。子供の扱いは得意なんっすよ」
「よーし坊や、お母さん助けたかったら、オジサン達の言うこと聞くんだぞー?」

 結局、男の子を発見したのは、見回りの騎士だった。
 その騎士は真面目な男で、早朝から街の治安の為と活動していると、ドアを破壊された家を見つけ、中で子供を発見したのだ。
 強盗達は子供好きらしく、その子を殺さず、徹底的に精神を破壊して放置したのである。
 男の子はその善良な騎士の養子となり、彼もまた騎士を目指し、その夢を叶えた。
 そして彼は養父と同じように、世の為人の為、尽力しているのだ。



(昨夜・アリギエ・とある宿屋)



「でも、どうしてあの場に勇者が現れなかったのか?」
 夜の闇の中、窓から差し込む月の輝きが、窓を開けたその部屋を照らす。
「養父はナイトであって、ブレイブではなかった。ならお母さんが、僕に嘘を吐いていた? それも有り得ない。母さんも僕も、誰も傷付けず、生きてきた筈だ。ならばあの場に、勇者が駆けつけなかった理由とは?」
闇の領域で月光を映す物が有った。それは剣の刀身だ。
「僕は確かめる必要が有る。彼が本物なのかどうか。どうして僕らを助けなかったのか? どうして……今頃僕の前に現れたのか」
剣を掲げる者は、今度は刀身に己を映した。
歓喜ゆえか口元は釣り上がり、声は高揚を伴う。
「勇者は僕の夢だった。正義の騎士に憧れるのは、僕の人生だった。つまり明日は……僕の運命の決着の日になる」
あるいは剣に映し出すは、使い手が幼き頃から抱き続けた、夢の光。
だがそれは……もはや叶えるべき期限を過ぎた、腐り堕ちた、夢なのかもしれない。



(現在・スキエル平原)



泥だらけになった草地を、水溜りを避けながら進む人物有り。
肩が膨らんだ黒いブラウスと動きやすい短めのスカート、紫の長い髪が彼女を構成する要素だ。
片手には魔言杖を持ち、ある程度進んだ後、魔力を下に命じた。
「魔言『SHOT』+ 『FLOAT』」

この『FLOAT』の技術は、浮遊付与。魔力で支配下に置いた物質を浮かし、手元に引き寄せる。
魔力消費量は、物の重量に左右されるので、重い物を動かすことに向いていない。
これを使った人の浮遊飛行は、魔力消費の面から不可能で、高所への移動は、脚力強化で代用されるのが一般的である。

少女の手元に、落ちていた麻袋が飛来した。
彼女がその袋の口を広げると、魔力広域化により支配下に置かれた、鉄くずのような物が集まってくる。
それらは魔力により指定した金属で、部品や欠片が袋の中へ飛び込んでいく。
集め終わり、その者は袋の口を閉め、再び泥の上を闊歩し……見つけた。
「見てましたよー? 遠くから魔言『SCOPE』で。あの人、見ていた範囲では対龍兵装も使ってなかったようですし、自分の力だけで相手してくれてたんですねー。それに負けちゃうなんて、ダメダメですね~エンディックん?」
「……シナリーかよ」
 エンディックは泥で汚れたまま、大の字に倒れていた。
 返事をする声にも、反らす視線にも力はなく、彼の消沈の度合いがうかがえる。
「ほらー、いつまでも寝てないで。お家に帰りますよ」
シナリーは両手を膝に置き、少年を見下ろして言う。
だが敗者として倒れる彼は、差し出された手に応えなかった。
「帰って……どうすんだよ」
「孤児院に帰って、皆を安心させましょう。そしてなるべく復讐とは無縁の生活を」
「そんなの俺じゃねぇよ!」
エンディックの頬を濡らすのは、泥だけではない。堪えられない想いが滲んでいた。
「いつか母さんを殺した悪魔に復讐するのが、俺の夢だった! ライデッカーの仇を取ることが……俺の人生なんだよ。それがハゲに育てられ、アイツの頼みを無視し、何も得られなかった俺の……たった一つの価値なんだ! それさえ取り上げられたら……俺が今まで生きてきたのは、何だったんだよぉ……」
少年は復讐と友を救うことに固執し、恩義ある養父の制止を無下にしてきた。
そのくせ何の成果も得ずに、おめおめと家に帰ってきたら、恩を返す前にライデッカーは死んでいた。己が倒している筈の、強欲の勇者に殺されて。
こんな無価値な命に許されることは、親達の仇と親友を救うこと、それだけだ。
黄金騎士という、偽の英雄の存在理由なのだ。
そして今日、その拠り所すら没取される。
仇より弱敵とされる本物の勇者に、予行戦闘にて勝つ筈が、それにすら負けるという最悪さ。
もはや自分に尊厳など許せなかった。
「ふーん、別に良いんじゃないですか?」
そんな幼馴染みの感情は我関せずと、シナリーは寝ている友の脇の下へ手を差し込み、無理やり引き上げ、立たせようとする。
「緑昇さんが現れた以上、エンディックんが必ず戦う必要は無いんです。勇者が来てくれたんですから、貴方が無理しなくていいんですよ。貴方は英雄じゃなくてもいい。エンディックんがいくら亜人との混血で、変わった特技を持っていても、勇者じゃない。大きなことが出来なくても、情けなくても、普通に生きてて良いんですよ」
 シナリーは後ろから、エンディックの腹の辺りを両手で支えているので、不安定に抱き寄せる形となる。彼女の張り詰めた胸が少年の背に潰れるが、彼は意見する気力はなかった。
「エンディックんがどんなに自分を許せなくても、私が貴方を許します。エンディックんが何も出来なかったとしても、私が貴方を助けます。だってエンディックんは、私達の家族なんですから」
シナリーは口から、もう一言漏れ出しそうになる。
それは『だから己を殺してくれ』という文句。
しかしそれすら、この二人にはもう無い。シナリーが緑昇に、命を売り払ったからだ。
緑の勇者が押収した物には、少年の殺意と、少女の自殺願望も含まれているのだ。
「あれ? 本当の雨が降ってきそうですね」
シナリーが見上げた先には、日の光隠す雲の群れ。次第にポツポツと降ってくる。
「そうですー。エンディックんは錬金術が使えるんですよね? なら簡単な傘でも作ってくれませんか?」
幼馴染の思い付きに、エンディックはビクリと震える。
しばらく迷った後、彼はシナリーから離れ、落ちていた鉄の棒を拾った。
「あ、あぁ、傘……な」
金髪の少年は棒を地に突き刺し、機力を流す。
支配下においた土を棒に吸着させ、勢い良く振り上げた。
機力で強固に結び付いた素材は、硬質化及び変形していき、槍の形となる。
それは黄金騎士が重宝する、いつもの形状だ。
「……く!」
エンディックは循環する力の流れを変え、槍の先端に集めていく。
槍の先に質量が集まり、膨らんで傘のような形を作っていくが……
破裂した。
「あ……」
若い錬金術師の手元に残ったのは、先が壊れてるただの槍。
そこに雨が降り出した。
少年は項垂れて、雨に責められるように、それを言ってしまった。
「俺は……錬金術が……使えないんだ」
雨はエンディックを糾弾するかの如く、その身を苛む。
シナリーは少し考え、その告白に対する答えを言った。
「まだ聞いてませんでしたね。エンディックんが旅の三年間、どんなことが有ったのか……を」



■■■



(3年前・アリギエ)



エンディックは街で携帯食料やクスター地方の地図などを購入し、ヴィエル農園方面へ出発した。
昔の記憶や位置関係からして、街道を進み、ヴィエル農園を超え、その先のダウン村の手前の辺り。そこがエンディックの故郷である確率が高い。
まず途中のピンスフェルト村や街で、古い地図や、彼の幼少期の年代の地理の情報を求めた。
他にも亜人種族の伝承や、エルヴ族についての記述など、噂程度でしかない手掛かりを掻き集めるのだった。
 そうした収集の果てに大まかな位置を割り出し、そこへ歩を進める。
道中の路銀は、賞金稼ぎ(バウンティハンター)の真似事をして稼いでいた。偽物の富とヴァユンⅢの力は、犯罪者など相手にならなかったからだ。
 移動は基本徒歩だが、夜までに街にたどり着けないときは、街道を外れてヴァユンⅢによるショートカット有るので、旅の危険は少なかった。
 そして少年は旅の目的地に着いた。



「意味ねーよな……それが出来たら」
 エンディックはシナリーに手を引かれ、アリギエ行きの街道を歩いていた。
 シナリーの持つ杖の先端には今、平べったい円形の金属の板が接合している。
 これは彼女が魔言『SLASH』で地面を薄く切り分けた後、それを魔言『METAL』により、刺した杖の先ごと金属化。
 魔力で一時的に大きな金属の板に変わり、杖を上に掲げれば、傘に似た用途が生まれていた。
 シナリーの魔力が続けば、傘など錬金術無しで、簡単に作れるのだと見せつけられたようだ。
 エンディックは更に落ち込む。
「それでー、見つからなかったんですよねー?」
「無かった」
 あのとき少年がヴィエル農園からガンティア山沿いに、ヴァユンⅢを走らせたが、彼の故郷『ヴェルト村』を発見出来なかった。
 進めど進めど、草原と横には森と山ばかりで、遠くにダウン村が見えてしまった。
 さらに森の中や山中の地形を、無理してヴァユンⅢで探索したが、人の住処の跡すら見つからなかったのだ。
 近隣の街や村で聞き込みし、逆方向なのかとアリギエに戻り、遠くのレスケンス街方面に走らせたが、結果は同じ。
 そして金の獣の足は、いつしかその先のルトールの街へ向かうのであった……。
「俺さ、子供の頃は、絵本の中の勇者や英雄とか、正義のナイトになりたいとか思ってたんだぜ……。だからせめて騎士になって、孤児院や義姉ちゃん達を守れるような、力を手に入れてと思ってさ。試験を受けて……落ちた」
 エンディックの戦闘理念は、速さを『是』とする物。
 とにかく敵の先を取り、攻められる前に攻め勝つ。速攻戦を好んでいた。
 それは彼の中の『ある感情』から起因し、ヴァユンⅢの戦い方もそれに合っていたのである。
だがそれは一般的な騎士戦闘術(ナイトアーツ)と、全く相容れないのであった。
「騎士団試験は支給された全身鎧で、試合をするルールだった。重い盾で守りを固めて、重い武器でその防御を叩き斬り砕くってさ。俺はその試合でボロ負けしちまった……」
 騎士という職は世襲制が多く、騎士の子も同じ職を目指していた。
 貴族の若者が武芸を極めたい為に、領主となるべき子が騎士団で鍛えようと来るのも少なくない。
 当然彼らの技術は、騎士にとってポピュラーな『重量武装戦闘』となるわけだ。
 つまり騎士団試験は、貧乏人と金持ちの『区別』でもあったのだ。多くの防具の装備や、高価な重い武器に慣れてない者が、手慣れた者に勝てる道理はないのだから。
「騎士になって、世の中の為に働く。それしか俺の命に価値はない。だから最後の崖っぷちだと思ってた。ルトールの街には、長い期間居たんだぜ……。そして次の年の試験を受けて、また落ちたんだ!」
 エンディックが培ってきた努力の、無意味さが証明された瞬間だった。
 彼が養父の元で磨いてきた武術、学んできた戦略。旅で得てきた経験は、騎士甲冑戦闘では役に立たない。
 二度目の試験の前に金を稼いで、重装備による修練も積んだが、それも付け焼き刃に過ぎなかった。
 そして少年はやがて、ある現実を認識する。
「でもさ……俺はそれからヴァユンⅢで戦う内に、馬鹿らしくなっちまった。夢を叶える為に騎士という結果が無くても、俺はもう……手段を手に入れてたってことに」
 この現実が彼にとって、幸なのか、不幸なのか?
 少年は英雄に憧れて、騎士になろうとしていた。力を手に入れる為に、努力していた。
 だが……既に英雄になれる『力』を、親から与えられていたのだ。
 偽物の富と、ヴァユンⅢという、強力過ぎる手段を。
「俺は騎士にならなくても、英雄になってた。努力しなくても、先に結果を持ってたんだ。それに気付いてから、俺は仮面を被った。兜で顔を隠し、俺という子供を塗り隠し、匿名の仮面の英雄になった」
 権力が無くても、絶対の力を得ていた少年は、日銭を稼ぐ為に、日夜悪と戦っていた。
その姿は正に、人々にとっての英雄として映ったのだ。
エンディックは騎士を諦め、それからの彼は、噂話の通りである。
「いつの間にか、周りから『黄金騎士』って呼ばれるようになったんだぜ? シナリーがかつて呼ばれた、『黄金騎士』の悪名でよ。もし俺がその名前を奪ったら、その肩の荷も軽く出来ると考えた……。帰ったらオヤジ達にバラして、誇りになると……そう思っていたのに!」
 エンディックはいつしか、目に水を貯めていた。その重みに耐えかね、足も止まる。
「ハゲは死んじまったぁ……。俺が呑気にヒーローごっこなんかやってるせいで! 俺が復讐して殺してるはずの悪魔に、殺されちまったんだよ! だから俺は3年間のモラトリアムを否定した! 故郷も親父も見つけられず、ただ黄金騎士より弱い犯罪者や、魔物を狩ってたあの日々を!」
 少年にとってあの墓地での報告は、正に地獄に落とされる気持ちだった。
 ピンスフェルト村への出発も、縋るような願いを秘めての旅立ちだったのだ。
 そしてやっと仇に逢えたというのに、彼の溜め込まれた想いは届かなかった。
「出来もしないことは、止めちゃえば良いんじゃないですか?」
 いつもの少年の可能性を、拒絶する友の言葉。弱った彼にとって、トドメとしては充分だ。
「復讐や英雄願望は、エンディックんの勝手です。それはお義父さんへの親孝行とは無関係では? ライデッカー神父が望むのは、貴方が安全に、幸福に生きることですよ。貴方は親の望みを無視して、我を通してるだけです」
 シナリーは立ち止まる幼馴染みを許さず、手を引き、帰路へ歩かせようとする。
それは彼の立ち止まる迷いを、許さぬ力で、だ。
「エンディックんに負い目が有るのなら、大人しくしていて下さい。復讐も諦めて、本物の勇者の緑昇さんに全部任せて……黄金騎士のマスクを、脱げは良いんです」
 雨空は次第に雷鳴を混じらせ、鳴り響いた光が二人の顔を照らした。




■■■





(クスター地方・アリギエ)



 穏やかな昼頃。今日もまた、その平和の存在を問う、血しぶきと悲鳴が街を彩っていた。
街の空へ跳躍し、街で一番高い対火災塔の壁にへばり付く、緑の影有り。
「少し居なかっただけで……これか。やはり人々の勇者を信じる心は、まだ足りてないと見える」
 緑昇だ。今はモレク=ゾルレバンの鎧を身に纏い、日課である殺人行為に明け暮れていた。
「人間は基本下等ですもの。反省も恐怖も、足りないのは記憶する知能ではなくて?」
 彼の右手甲に潜む声が、主の言葉に反応した。この声はモレクという悪魔の物。
緑昇が勇者になってる間は、鎧を通じて力を外界に影響させるので、モレク自身の『映像』を映す必要はない。
「貴方様、本当にあの敵の娘を、生かしておいて良いんですの? 守る対象を増やして、不利になるのでは?」
 モレクの指摘に緑昇は、一切の不安は無しと断じる。
「守る予定など、元から無い。悪魔が彼女らへ手を伸ばすのであれば、俺はマヌケに伸ばしている後ろから、斬りかかるだけだ。それにリモネという女の内臓を拷問し、それを治療した際に魔言『CURSE』を使用しておいた。あの女が街から離れ、俺の魔力範囲から逃れそうになれば、それに反応して呪い殺せる」
 顔を隠す兜の奥で、その男は確かに口元を釣り上げていた。
「それに……口実が有るのであれば、越したことはない。この世界の問題は、ほとんどマシニクルから持ち込まれたのだから……」





 緑昇が想いを馳せたのは、第三次勇者部隊がこの世界に来た九年前。
あの頃まだ若かった自分や同僚達は、自分達が英雄になると信じていた。
長年友好関係にあったシュディアーを、2つの世界の力を合わせた兵器で救う。
そのハッピーエンドを信じていた。
足りなかったのは、その後日談の想像である。
戦いの主役たる勇者達が、『使い捨ての消耗品』とは、誰も信じていなかったのだ。




(王都ニューローズ郊外・カーテッツ遺跡)



この場所には、4つの巨大な古い塔が、東西南北に離れて建っていた。
中心に巨大な魔力円が有り、円の淵から発生した黒い闇が、天へと上り、壁となり、次第に円形となる。
これは大規模の結界(カーテン)なのだ。
この結界を使った移動手段や、この遺跡のことを、人は『結界門(カーテンゲート)』と呼んだ。
そびえ立つ黒い結界を割いたのは、船。
それは巨大な銃に翼やカタパルトを付け加えたような、空飛ぶ戦 艦だった。
船の名は『ダウヂバウナ』と呼ばれ、世界を超えてやって来た、マシニクルの軍艦である。
この船は勇者達の拠点であり、搭載された支援無人兵器軍が、龍との戦いを援護する予定だ。


「君は緊張しているようだね緑昇」
艦内の窓から異界を見ていた緑昇に声をかけたのは、彼の師でもある堀(ほり) 忠(ただ)興(おき)中佐。
勇者最年長の男で、先代の憤怒の勇者は彼の息子だった。その後、憤怒の鎧の適性の者が中々現れず、親族の堀中佐が自ら志願したのだ。
「心配することはない。今回の第三次龍討伐は勇者だけではなく、かなりの大規模戦力が随伴している。指令部はよっぽどマシニクルの力を見せつけたいらしいね。その戦力は龍打倒はおろか、シュディアーと一戦交えられる程の余剰な軍力だよ」




(九年前・王都ニューローズ・王宮庭の龍討伐祝賀会の会場)



「諸君、会食の合図の前に、教えてやりたいことがある」
 参加する勇者、非勇者の兵士や整備兵、王族と貴族の面々が集うその会合。
その中央の席で王と共に談笑していた、勇者部隊の隊長のディムホルツ=ハイツ大佐が、唐突に声を上げたのだ。
「勇者召喚」
 ディムホルツの言葉に応じて、彼を包む黒い円柱。
しばらくして、その結界(カーテン)を引き裂いたのは、黒い両手。
中から現れたのは、ケンタウルスオオカブト虫に酷使したデザインの、赤い全身鎧だった。
甲虫をモチーフにした装甲は、所々に角のような突起物の意匠が有る。特に兜には細長い角が生えており、角先端や中間から突起が有り、複雑な形を作っていた。
目元のバイザーは白。そこに縦線状の穴が開いており、奥に青いカメラの光が見える。
高慢の勇者『リバス=ルシフェラウザー』である。
「聞け。我々マシニクル人に運ばれた飲み物には、毒物が混入している。これはなぜだ? スレイプーン王よ?」
 そう言ったディムホルツは鋼鉄の腕で、驚く王の胸ぐらを掴み上げる。
今のスレイプーン王は、代替わりしたばかりの若い王で、三十近い歳の肥えた男だった。
突然の事態に慌てふためく彼は、威厳を保つ余裕がない。
「な、なな何のことだ? ど、毒だって? 異世界から遥々助けに来てくれたソナタ達を殺すなどあるはずが」
 発汗していた肌をさらに湿らせながら、掴み持ち上げられた現王は喚く。
 対するディムホルツの反応は、言葉より先に……空に出た。
快晴に晴れた青空が、次第に曇っていく……。
「代わりに答えてやろう愚王よ。貴様らは勇者鎧のあるデメリットを隠していたのだよ」
 その話は、食事に参加していた緑昇や他の勇者達にとっても、驚くべき内容だった。
 

この世界で『悪魔』と呼ばれる電子生命体を、勇者鎧は搭載している。
悪魔だけが、技術銀行に保存された、最強の武器を呼び出す暗号を保有するそうだ。
これは龍という敵は強固な魔力抵抗を持つので、魔力による強化を受けた重火器や光学兵器といった、機力攻撃が有効とされ、両方を用いる為に悪魔の動力補助を必須とするのだ。
この悪魔達の協力を得るには、ある『代償取引』に応じなければならない。
勇者達はそれぞれの契約相手の望む、負の感情や欲望を支払うのだ。
それは食欲や性欲、収集欲と、悪魔によって異なる。
例えば大食のモレクと契約した緑昇は、自身に生じる食欲を悪魔に与えると、己の空腹を自覚できなくなった。
なのでモレクの捕食行為に応じて食事をしなければ、空腹を感じれず餓死してしまうのだ。


「この先を教えていなかったな王よ? この悪魔との取引を、勇者召喚を繰り返していけばいずれは『悪魔に乗っ取られる』という、デメリットが有ること!」
「ひぃぃい!」
 スレイプーン王が悲鳴を上げたのは、勇者の怒気のせいか? それとも空の向こうで唸り始めた、雷音か?
「貴様らは我々を謀った! 悪魔への生贄にし、用途が済み次第始末してきたと、裏が取れているのだ。……国の代表として、申し開きをしてみよ。解答によっては、長きに渡る友好を焼き捨て、その火を持って、この国の未来を閉ざしてやるぞ」
 さらに会場の周りを囲むように、動きの気配。いつからか屋外会場周辺に、銃で武装した兵士達が配置されていた。彼らはディムホルツ大佐側の部下である。
 スレイプーン王は恐怖でたっぷり化粧し、眼下の高慢の勇者に白状した。
「お、王家の掟が有るのだぁ。もし封じられし勇者の力を用いれば、すぐに悪魔憑きを処分せよと……。た、確かにマシニクルには、悪いと思っているが、いや待て。そもそもそちらの財団連盟とは話がついて」


落雷が落ちた。



天より刻まれた光の線は、ルシフェラウザーの避雷針になっている兜の角へ繋がれ、その身を伝って、掴み上げたスレイプーン王を焼いた。
激しい発光と悲鳴が続き、勇者は焼き豚となった死体を、近くのテーブルに投げ捨てる。
「もう鳴くな。『スレイプーン王国の』裏切りと敵対意思は、確かに受け取ってやったからな」
 突如テーブルに増えた料理に、会場のシュディアー人参加者は恐怖に慄く。
逃げようとする彼らを、銃口で止めるマシニクルの兵。
他の勇者達は呆然として、ディムホルツに注目するしかない。
「第三次勇者部隊の隊長、高慢の勇者ディムホルツより宣言してやろう。マシニクルは魔力世界からの宣戦布告に応え、異世界戦争を開始する!」



茶番が終わった。
ディムホルツは元々デメリットを知らされており、異世界救済ではなく、異世界侵略の任務を受けていたのだ。
マシニクル財団政府は、十年前の第一次勇者達の不可解な死の報せを、全く信じてなかったのだ。
当時、魔力世界側によれば、残った部隊の無人兵器の暴走事件により、七人の勇者が死亡したと伝えられていた。
しかし政府はまだ異世界侵略の準備を終えていなかったことと、それに勇者鎧という超兵器の技術を自分達の兵器に利用したかった為、あえて黙認した。
 そして二度目の『実験』に成功した機力世界側は、第三次勇者部隊による遂行を決定。
現地司令のディムホルツ大佐、堀中佐の隊にのみ、この事実を告げ、他の勇者には伏せていたのだ。
現在マシニクルでの環境問題は星を捨てるか否か? まできており、財団政府は自然を取り戻すより、異世界の土地に移住する方が遥かに容易と考えていた。
今回の侵略が完了次第、秘密裏に財団関係者だけが、先行して移住するつもりなのである。
無論ここでは機力世界の法はなく、植民地にし、奴隷や人体実験、あらゆる非道徳がマシニクル側に許可される。



■■■




「それさ、僕らが反対しない前提になってますよね?」
 居合わせたシュディアー側の権力者達の拘束の後、鎧を解除したディムホルツは、勇者達だけを会場に残し、その旨を伝えた。
だが国に忠を尽くすディムホルツ達に対し、意見を違えたのは勇者三人。
先程の台詞は、色欲の勇者の男によるものだった。
「確かに僕は軍人です。命令と言われれば、死ぬことも職務内容でしょう。ですが……そんな危険な実験を隠されて、そのうえ大義の無い侵略に加担しろって、文句も言いたくなりますよ。大佐のように、財団関係のお家ではないのでね」
 それに賛同したのは、嫉妬の勇者の女。
「彼の言う通りよ。こんな僻地に飛ばされたと思ったら、元の世界に帰れないなんて聞いてないのよぉぉ!」
 そして大食の勇者は決別の意思を言い放った。
「じ、自分達は……賛同出来ません! 我々の世界の争いならまだしも、別世界にまで戦争という『悪』を持ち込むのは……せ、『正義』ではありません。何よりこの世界の、異世界を知らぬ一般市民は、無関係ではありませんか!」
 ディムホルツは舌打ちした。彼らがこんなにも忠誠心の低い者達だったのかと。
(ち……所詮は間に合わせか。鎧への適性者がギリギリまで見つからず、適性重視でエリート以外を選ぶからこうなる。ましてや一人は、兵士としても下位ではないか。仕方ない、今は力づくで拘束して、後々洗脳手術にかけるか……)

手駒達に見切りをつけたディムホルツの後方に、何かが落下してきた。

それもまた勇者鎧。三メートルを超える巨体は地を踏み砕き、身を起こして作る影は、強いプレッシャーを与えてくる。

憤怒の勇者『サターントリプル』だ。

紫の重装甲に銀の装飾がなされ、各所に牛のような角と模様が有る。兜には四本の角を生やし、四角のバイザーに横一線の穴が開いており、中で緑のモノアイが緑昇達を見下す。
 両腕両足は樽に似た形状で大きく、それに伴い手の五指も極太だ。
「そんな……堀中佐もこれを承知していたのですか!」
 緑昇は悲壮な顔で師を問う。
 憤怒の悪魔憑きは、彼と関係深い堀 忠興中佐なのだ。
 ディムホルツの背後に控えた勇者は、静かに答える。
「いや、私はシュディアーに着いた後から、極秘指令を受領していた。緑昇、軍に忠を誓ったなら、悩む必要はないではないか? 私も、君も、軍人ではないかな?」
 堀はそう言って、威嚇のように巨腕を緑昇ら三人に向ける。
 ディムホルツは勝ち誇った笑みで、離反者達に語るのだった。
「その通りだ中佐。救世主を呼んでおいて、自ら手に掛ける野蛮な世界など、我々が支配してやるのが条理であろう? 確かに我々の支配に逆らう者達は殺すだろうな。無人兵器軍の進軍で、市民に多少の犠牲が出るかもしれん。それは仕方のないことだ。いずれ大勢のマシニクル人が移住するとき、元の住人は少なくした方が……都合が良かろう?」

「だがねディムホルツ大佐、私は『多少の犠牲』では、治まらないのだよ」

 サターントリプルの大きな手と力なら、人間の上半身を握り潰すことは造作もない。

 堀は突然、目の前の大佐を殺した。

 勢い良く握られた指の間から、ディムホルツの頭と両手が飛び出た。
 彼の下半身は衝撃で倒れ、サターントリプルの大きく太い足が、それを踏み潰す。

「第二期勇者の……息子の死は、スレイプーン王国側の掟だけじゃない。勇者鎧の実践データが取りたいマシニクル側でも容認されていたのだよ。私は……どちらも、許すつもりはない」
 堀中佐の行動は、緑昇達に味方するものでも、侵略の尖兵でもなかった。
 唖然とする拝聴者達に、血に濡れ勇者は静かな声で言う。
「私は今まで軍に忠を尽くしてきた。ただの人ではなく、命令に従う軍人に、冷たい機械に徹してきた。それは祖国を、そこに住む家族を守る為に最善のことだった。だがその息子が英雄として賞賛されず、モルモットでしかなかったなど、どうすれば許せる?」
 発せられる言葉は、愛する子を奪われた親の、恨みの台詞だと理解出来る。
 しかし、そこに内在する筈の感情が、声にも態度にも感じられなかった。
『怒り』の感情が抜け落ちていたのだ。
「サターンと契約して良かったよ。息子の死に気付いたとしても、軍人の私だったなら、冷酷でいられただろう。だが……『怒り』を燃料とする悪魔のお陰で、私は人に戻れた。怒りや恨みが止まらないのだよ。そしてその憤怒をサターンが食べてくれることで、私は冷徹な機械のまま、怒りを実行に移せる」
「貴方は……一体何をするつもりなんだ?」
 不気味な堀に面食らった緑昇の問い。
答えは、周りから聞こえてきた悲鳴と銃声が代行した。
「初代勇者祝勝会の再現だよ。ディムホルツ大佐が用意していた無人兵器軍を、私が出撃させた。彼の私兵とシュディアー人を攻撃目標にしていてね。ダウヂバウナに積まれた残った輸送機も、各地方に自動操縦で飛んでいる頃だ。これでより多くのシュディアー人を殺せるだろう」
 堀はディムホルツらマシニクル政府の意向を、利用するつもりなのだ。
 ただし彼の目的は侵略や支配ではなく、抹殺である。
 憤怒の悪魔に焚べられた怒りは、もはや一組織を燃やしたところで消える炎ではない。
「さて、もはやこの世界で私を止められるのは、同じ勇者だけだと思うのだが、どうするかね?」




 その後、緑昇ら三人の勇者は、暴走した堀中佐と戦うも、圧倒的なサターントリプルの力に敗れる。
 しかしその窮地をディムホルツ側の怠惰の勇者に救われ、その彼を説得し、味方に引き入れた。
 四人となった勇者達は、暴走した機械生命体を駆除しながら、堀と何度も戦い、ついにクスター地方のアッシド火山に追い詰め、決戦に勝利するのであった。



 そして緑昇達はマシニクルと決別した。
 あまりにも身勝手な財団政府では、この世界に住み着いても、いずれ向こうの地球のように自然を滅ぼすだろうと。
 勇者達は結界門の遺跡を破壊し、一時的にスレイプーン王国の支配を握ることとなる。
 自分達の世界に関わったせいで捻じ曲げられた世を治し、各地に散らばった無人兵器を破壊する為である。
 無人兵器、マシニクルに生息していた機械生命体らは、各地で増え、いつしか人々から『魔物』と呼ばれるようになった。



「そして四度目の龍の襲来を、残った俺達で辛くも撃退したが……次も上手くいくとは限らない。そこで単独行動としていた俺に依頼が来た。例え強敵と言えど、国をまとめる三人の労力を借りるわけにはいかんのだ。だが幸い、勝ち目もないわけではない」
 腐敗した王政は消えたが、それでもこの国が立ち直るには、時間がかかる。
 今は戦友達と道を違えているが、緑昇も本心では力になりたいと思っている。
「次に敵が仕掛けるとしたら、この街だろう……。市民が人質になるかもしれない。ならば俺達は、敵より多くの市民を盾にして、勝つだけだ」




■■■




(アリギエ・教会近くの孤児院・エンディック達の部屋)



エンディックは部屋の隅に有る机の椅子に座り、腕をある場所へかざしていた。
そこには机の上に置かれている、こぶし大の大き目の石が有る。
少年は右腕に赤い宝石の金の小手を付け、石に機力を送っていた。
この偽物の富さえ有れば、複雑な錬金式を書かずとも、自動で式を小手内部で算出し、使用者はただ燃料である機力を流すだけで、錬金術の使用が可能となる。
「いける!」
 錬金術士の機力が、石という素材に完全に循環し、支配する。
 その移動する機力に削られるように、素材の材質が望むまま変化していき……石は表面だけ金色に変化した。
「また……かよ」
『やはり』実験は失敗である。
 金髪の少年が行おうとしたのは、石の破壊だったのだ。
 石の質を細かくし、ゆっくり砂に変える。ないし、ヒビでも入って割れる筈だった。
「石は壊れず、小手の『設計図通り』金に変化しやがった。これじゃいつも通りだ……。俺の想像より、小手の設計図が優先されたかよ」
 エンディックは錬金術が使えない。習っていないのだ。
 両親が居たときはまだ幼く、錬金術については、ライデッカーの持っていた蔵書の知識しかない。
 機力の使用法も、少年以外に使える者が居ないので、独学の技量でしかないのだ。
 その彼が高等な錬金術を使える理由は、両親の遺してくれた小手にある。
(俺が偽物の富に必要な燃料さえ与えれば、俺に仕組みが解らなくても、小手が自動で錬金術を成功させてくれる。だが金属なら応用で、繋げたり伸ばしたり出来るんだが、他の素材の錬金や、設計図の金への変換以外の技術は、上手くいかねぇ……。鉄なら無理やり形を変えられるが)
 これも少年にとっての不幸だ。
 エンディックは錬金術師の両親、加えて母は錬金術を人に伝えたとされる、エルヴ族という亜人種族なのだ。
 当然、その身に秘める才能は、機力世界の人間を優に超える、膨大な機力として発現している。
 だがその才能を伸ばす、錬金術の師匠が居なかったのだ。
「わ〜! 宝石ってやつ〜?」
「オニィチャン、コンナヘソクリモッテタノ?」
 いつの間に入って来たのか、スクラとコルレが横から覗いていた。
 結局エンディックはこの少年少女とキリーを含めた、孤児院の子供達と同室になっていたのだ。
 と言っても殆どエンディックは『外出』しているので、煩わしさに悩むことはなかった。
「あぁ……これは、手品だよ。ほら、見てろ」
 エンディックが機力の供給を止め、小手を外す間に、金に塗り替えられていた石に異変が。
 表面が砂のように崩れていき、色が元に戻っていく。
「すご〜い! お兄ちゃんなんかにこんな手品芸有るなんて!」
「ダイドウゲイノタビデモシテキタノ?」
「そうだな、手品だな……」
 己の口から出た単語に、得心がいった。『偽物の富』とは、偽物に塗り替える手品だったのだ。
 黄金騎士という役を演じていた、滑稽なピエロ。
 それがエンディック=ゴールという愚者の全容。
 勝てる筈もない仇を憎み、不完全な色で己を塗り隠し、そして今ではそのフィクションでさえ、現実の強者である緑昇に取られてしまった。
「ん? そういやキリーが居ねーな。いつも三人仲良くいたのによ」
「あの子はね、あたしたちより年上だから、学校に行ってるんだよー」
「あ〜、そいや義姉ちゃんがそんなこと言ってたな。教会の外に投げ込まれた金で、コルレは学校に通わせられるようになったって」
 エンディックは明後日の方を見ながら答え、思案する。
(学校か……俺はあーいう所には思い出ねーな……。故郷でも混血の俺は良い扱いされなかったしよ)
 部屋に近付く足音が聞こえ、開かれていた戸口からサーシャが顔を覗かせた。
「あ、いたいた。エンディック、ちょっと悪いけどお使い頼まれてくれる? 買い忘れたのが有るのよいや、待って。やっぱり心配だわ……お使いの内容覚えるのに集中して、何も無い所で転んで骨折なんてしたら……やっぱりい」
「勝手に自己解決すんなよ……」
 エンディックはサーシャが持っていた買い物袋を受け取ると、街へ出かけた。



(ボウド商店街付近)



エンディックは買い物を終え、帰路へ立つ途中で足を止めた。
左に目を向けると、先は狭い路地で、人々が行き交う商店街の延長から続くそこは、日の当たらない静かな場所だろう。
「血の匂いかよ」
 エンディックが路地に近付くと、嗅覚がその先の危険を察知する。
 確かこの路地を進んで行けば、あまりよろしくない職業の方々の、住む地域へ繋がる筈。
「……ち」
 少年は少し迷い、すぐに家路を急いだ。

 孤児院に着き、荷を下ろした後、自室に行き、エンディックは己の荷を持ち出した。
 布に包んだ鉄棒と、彼の防具一式が詰まった麻袋だ。
 少年は走る。
 何かが、起こっているのだ。それを見極めなくては!
 だがその必然性を、彼はもう持っていなかった。
「く……!」
 エンディックは先程の路地に、足を踏み入れた所で止まった。
 輝きを剥がされた己に何が出来ると言うのか?と。
 それに黄金騎士がなぜ市街地ではなく、野外での活躍に留めていたのを忘れたか?と。
「確かめる……だけだ。いざとなればヴァユンで無理やり壁でも走るさ」
 黄金騎士と呼ばれる彼は、疑念を振り払い、暗き道を進み出した。




■■■



聞き覚えの有る怪音が耳に届き、その方向へ歩を進める。
ここに辿り着くまでに、数々の遺骨に出くわし、壁や地面にはありったけの赤が、各所にブチまけられていた。
「ちくしょぉ……やっぱり勝てねーのかよぉ……。テメーのせいで銀獣の会は……糞が!」
「残党による復讐か……。だが本隊でも勝てない敵に、残り物が勝てる道理は有るまい」
 この路地の曲がり角の向こうは、少し広い空間になっていた。
 エンディックは姿勢を低くして、話し声に聴覚と視覚を向ける。
「う、うるせぇ! テメーのせいだ……銀獣の会がなくなったせいで、ワシみたいな年寄りでも就ける仕事が無くなっちまったんでぇ!」
 人骨散りばめられた赤い地に立つは、緑の勇者。
 彼に見下されているのは、壁に倒れこんでいる老戦士だ。髪が白く、髭を生やした厳つい男で、老いた身ながらも、防具で武装していた。
 片手に持っていた折れた剣を全身鎧の緑昇に向け、苦し紛れに怒鳴っている。
「は……! 今テメーが殺した奴らはどいつも貧乏人よ! 裏仕事以外に何をしろっつうんだ? テメーが銀獣の会を潰したのは、街にあぶれた貧乏人を増やしただけよ!」
 エンディックは聞きながら、老いた戦士の声に共感した。
 確かに犯罪組織を潰しても、そこで働くしかなかった貧者達を救えるとは言えない。
心を入れ替えようが、真っ当に雇われるわけがなく、別の組織や犯罪者になるだけだ。それでは何の解決にもならない。
 だからといって政府が一人の悩みを聞いていては、一向に全員の順番は回らなくなる。
 そして大多数の民を救う為に、少数派の大勢の犠牲を強いるしかない……。
 だがそれは仕方がない……で、済まされることなのか?
「では貧者なら善人を殺めても良いと? そんな理屈は通らない」
 冷たく宣告した緑昇は、グロコイルのレバーに手をかけ、振り上げるが。
「貴方様、後方で強い機力反応ですわ!」
 緑昇は相棒の警告と共に跳躍し、左側の壁へ跳び蹴り、右側の壁、建物の屋根に着地した。
 その内に黄金の風が通る。
 風は倒れていた老兵をかっ攫い、細い路地を走って行った。
「……俺の助言に従い、襲ってきたのではない?」
 彼は何者かの観察に気付いていた。
 なので視界に隠れたエンディックが見えたとき、再戦に挑んできたと察し、屋根で構えていたので出遅れた。
 黄金騎士は路地の先で曲がり、見えなくなる。
「む……如何なるつもりだ?」
 黄金騎士と緑の勇者の追走劇が始まった。



(やっぱり街の中じゃヴァユンの速さは出せねぇ……! 上に行く!)
 エンディックは路地を抜ける際に減速し、通りに出ると安全を確認し、加速。
 前方に見える宿屋の壁に飛び上がった。獣の足は強く壁に食い込み、その身を持ち上げて、勢いよく屋根に登った。
 通りに居た人々は、唐突に路地から現れた英雄に驚き、上に行った彼を指差し、騒ぐ。
 そう、今の少年は黄金騎士の姿なのだ。
「あ、アンタ、どうしてワシを……」
 老兵は状況についていけず、黄金騎士にされるがまま。金獣の上に引き上げられ、英雄の体に捕まっていた。
「俺だって人間だ。アンタに同情したのさ……。人生を選べなかったのに、ただ殺されることもねーだろーってな」
 エンディックは緑昇の殺人現場に着く前に、簡単な胸鎧や小手、脚甲を付けていた。
 更に緑昇の武器の音を聞きつけると、勇者絡みだと思い、ヴァユンⅢを事前に錬金していたのだ。
「爺さん、金が無いからこうなってるんだよな? なら……俺が金やるよ」
「何じゃと? いや……しかし」
「とにかく掴まってろ!」
 ヴァユンの速さならば、屋根から屋根へ、飛び移り走れる。
 エンディックは左へ、通りに建ち並ぶ建物の屋根を飛んでいく。
「なぜその男を庇う、黄金騎士!」
 緑の勇者もまた、屋根の上を跳躍しながら追って来ている。
 まだ距離は有るが、屋根という悪路では、金獣でも追いつかれるだろう。
 黄金騎士は遠い内にまた狭い路地に降り、ジグザグにしばらく走り、進路をかく乱した。
 そして別の通りに出た所で、緑昇に追い付かれた。
 ここは噴水の有る広場で、かつて市民の憩いの場であったが、ある殺人事件の影響か、今は人っ子一人居ない。
 緑の勇者は路地を出た黄金騎士の進路に降り立ち、腕の凶器を向けた。
「やはり街の中では、並の速さだな。逆に普段の力を抑えているためか、ぎこちないように見える。……何のつもりだ?」
 エンディックは既に逃げる気はなく、立ち止まり答える。
「手柄を奪って悪かったな……。だがよぉ、殺すまでもねーと思っちまってな」
「……安い同情だな黄金騎士。貴様は事件を不殺で終わらせることが多いようだが、それらは貴様のお情けに左右されるのか……男をどうした?」
 緑昇は今気付いたが、ヴァユンに乗っているのは黄金の騎士だけだったのだ
「さっき屋根から降りたときに、金を渡してすぐに落とした。アンタに俺を追わせて引き離したし、逃げてるだろ」




 あのとき老兵は英雄からの提案に、ますます動揺していた。
「大金をやるから、もう犯罪ギルドは止めてくれ。やり直せ……なんて無責任なことは言わない。これで美味いもんでも食って、『考え直して』くれ」
「……ワシがまた悪事をしないと、どうして言い切れる? そんなお人好しな」
「それでも良いぜ……。それでも『一度でも施しを受けた』ことになる。俺は他人の人生なんか知りようがねぇ。アンタが不幸かどうか解らねぇ。
 だが善悪どっちだったとしても、『誰かから一度は助けて貰ったことが有る』って事実は、出来る。そこだけはアンタの人生を変えられる。
 今まで不幸だったかもしれねーが、これから幸福になれねーとは、決まってないんだからな」
「……後悔するぞ」
 そのやりとりの後、金獣は路地に降り、同時に老兵を降ろして、自分の懐に収めていた札束を彼に手渡し、黄金騎士だけで逃げたのだ。




 話を聞いて呆れた緑昇は、向けていたグロゴイルを下げ、失笑する。
「ふ、無駄金を使ったな。その者もいずれまた犯罪者となり、それを俺が処断するだけだ。
黄金騎士よ、所詮それは個人のさじ加減で、殺すか否かを決めているに過ぎない。

 それを決める貴様は、

神にでもなったつもりか?」

「傲慢なことは解ってるさ。俺は自分が正義だなんて思わないし、今の姿が真っ白なヒーローだと宣伝しねぇ。黄金騎士は誰かに頼まれたからやってるわけじゃねぇ。
 ただ殺すしかない、なんて諦めや納得が出来ない子供なんでな!」

 そうなのだ。
 エンディックは仕方がない、なんて『常識』は持ってない。
 シナリーが望むまま、死んでも仕方ないなどと、納得出来ない。

 彼はもう知っているのだ。
 本人の意思とは関係なく、金銭問題やコミュニティに起因して犯罪が起こることを。友人が望まぬ殺人を強制され、ついには母を手に掛け、今でも悔やんでいるのを。
 それは彼が出逢ってきた犯罪者達にも言えること。
 だから黄金騎士は手の届く限り敵を助け、手に負えぬ難件は迷いながら殺してきたのである。

「確かに貴様の素顔は若者だったな……。だが俺は天秤を測る神にはならん。
善良なる人々に害する者あらば、その者の

『人生』

もろともに殺す。

勇者はこれからも、より多くの善人を救わねばならない。殺された屑一人の事情を、いちいち察する『余裕』などないのでな」
 緑の勇者は背を向け、マントをなびかせて跳躍し、飛び去った。

 黄金騎士は予感する。
 あの勇者こそ、幼い少年達が夢想した英雄であり、今は現実の側にいる自分は、いずれ決着をつけなければならないと。



黄金騎士と緑の勇者が言い争った場所から、遠退いた路地裏に走って来たのは、件の老兵。
彼は体力の限界と壁にもたれかかり、懐中にねじ込まれた大金を取り出した。
札束を確認するが、確かに本物の金のようだ。
「……どうしろってんだよワシに……くそ」
「おぉら!」
 その男は突然老兵に走り寄り、持っていた鉄棒で殴りつける。
 彼の持っていたの武器は短く、手元には四角の硬い鍔(つば)が付いていた。その部分で倒れた老兵の頭を何度も殴りつけ、抵抗しなくなったのを確認する。
「臨時収入っとぉー」
 金を拾っている者の見た目は、髪を短めに刈り上げ、上等な胸鎧、両手足に装甲を付けているジョイチという騎士だ。
 彼が現れた路地には、他にも三人の男女が居た。
「四人のようだ。その中にリンド婆様が加わってくれるのは心強いようだ」
 声を発したのは体の大きい騎士のコーダン。彼に頭髪はなく、腕に大きな盾と、槍を携えていた。
「何せ銀獣の会の残りカスは、さっきので使い切ったからね〜。これで後腐れなく、騎士団に復帰するってもんだよ。ワタシャも孫の仇討ちに燃えとるんだよ〜」
リンドと呼ばれた老婆は、怪しげなローブにアクセサリーを大量に付けた、魔言使いだ。
彼女の持つ杖は美しい銀色で、先端には円の形になった鰐(わに)の装飾が付けられていた。
「ここの騎士団の実力者三人に、元騎士団長で銀獣の会上級会員でもあるリンド様か。さながらアリギエ最強のパーティーといった所だね」
 そして今回の任務(クエスト)の発案者であり、この部隊の指揮官の男。彼は黒い長髪の美男子で、背に大剣を背負った、この街一番の騎士だ。

 名はニアダ=ゲシュペー。
 一度は勇者を夢見て、そして今は勇者打倒を目指す夢の腐乱者(ドリームゾンビ)だった。
「さあ始めよう。僕達『六人』で、空想の英雄をフィクションから引きずり下ろすんだ」

G(ゴールデン)knightとG(グリーン)knight4話 ©零斗留ト

執筆の狙い

腐った夢を振りかざす男達の、醜悪劇4話です!
(⌒▽⌒)
本来は次の5話含めて、第3話終了となります。
今回は主役2人の過去。主役ライダーなのに強者補正が2話で終わっちゃうなんて……。でも最初に嘘がバレたエンディックから、這い上がるのも納得。


活躍回というより、復活回1番早いのが、主人公たる所以かしら。思えばそれが本作の担当回に当たるのかもね。
てか本当エンディックが絡むと、緑昇さん本人が喋ってるよなあw同族嫌悪だこれ。
ちなみに顔出しした高慢のライダーは、ストロンガーではなく大気圏突入甲虫にしましたw

今回の内容は、
▲ヒーローに救われなかった、登場しなかった人物の言葉
▲偶像崇拝の末路
▲主役降板後の主人公
▲押収された殺意と自殺願望
▲錬金術が使えない錬金術師
▲夢を叶える努力の前に、夢その物になれる手段が有った
▲犯人が呑気に人質に銃を向けてかれるのだから、こちらは安全に撃ち殺せばいい
▲善悪で殺人するなど、神にでもなったつもりか?
▲人を害する者に人生など許されない
となっております。

今回も名前の所を、前回のリンクにしときました〜。

零斗留ト

126.245.3.74

感想と意見

加茂ミイル

私の感じ方がおかしいのかもしれませんが、何となく急いで書いたのかなという印象を受けました。

『指輪物語』は一つのシーンに分量を多くつぎ込んでいる感じがしました。
それに比べると、この作品は展開が速いなって思いました。

2017-09-08 21:52

60.34.120.167

零斗留ト

ミイルさんへ。
急いでというより、カットした部分が多いですね。
緑昇の昔の仲間関連の話は、2、3巻の話なので、今回はさわりだけです。敵幹部顔見せみたいな。

この回はエンディックの挫折や捻くれたロジック、現在のシュディアーの実態の話となります。
エンディックは特に復活したわけでもなく再度変身出来たのは、やはり彼は大人というか、割り切ってるノリが出てますね。
口ではまだガキだとか言ってますが、出てくる同類達に比べると、拗らせは少ない方だったよなーと。

2017-09-09 09:47

126.253.195.154

加茂ミイル

ごはんには「檸檬」みたいな観念的な作風の作品が多い中で、
こういう物語としての展開が進んで行く作品は貴重です。
私個人の考えですが、ごはんの中で零斗留トさんが一番プロに近いセンスを持っているような気がします。
特に若い読者は、こういう物語がテンポ良く進んで行くタイプの作品が好きだと思います。
零斗留トさんから学びたいことがたくさんあります。
今後ともよろしくお願いします。

2017-09-10 09:51

60.34.120.167

加茂ミイル

「デューン砂の惑星」って知ってますか?
この間放送していたのですが、見逃してしまいました。
予告編みたら何かファンタジーSFって感じで面白そうでした。

2017-09-10 09:53

60.34.120.167

零斗留ト

観念的というより、ちょっと想定してたレベルより低くてガッカリきてるんですよね……。
何作か読んで見たけど、1つもGknightに勝てる小説が無いのかよ……っていう。

そも、純文学というかただでさえ高いハードルなのに、そこに短編重視って……
(ーー;)
逆だろ!?っていう。鍛錬する気があるのか……っていう。

一般向け小説ならば長編。
短編ならそれこそ軽いラノベチックなノリや、エロ小説がベストである。

なのに一般向け小説で短編という、現環境で最悪な相性で、面白い話書けんのか……?って。

いくつか読みましたが、要求されるハードルにすら届かないのが多くて……(゜o゜;;
鍛錬の為とは言え、短い話ではの面白さには限界が有り、得られる経験値も少ないだろ……。


●作家でごはんは鍛錬の場だ!やる気のある奴らが集まってるぞ!?と期待して来たら、経験値量の少ない短編周回って……。
正直、短編ばっか書いてる人は、やる気が無いんだな、作家になるつもりもないんだなって冷たい目なんですよね(ー ー;)


他人に読まれる為には短編の方がいい!というのは、

面白い話を作る鍛錬をする!というのと、

真っ向から矛盾している。


●『もし本気で鍛錬をしたいなら!
短編を60個を作るより、

長編を10個書いてこい!』

どっちの経験値が多いかは、馬鹿にも解る。
漫画とかに有る読み切り&1話打ち切りシリーズは、将来的に何も残らない、作家にとって最悪な制度だからな???

●短編っていうのは、作家は短い話で面白くしようとする=1話に詰め込める内容なんて限界が有る

結局オリジナリティも弱い、テンプレ話を書くしかない。

そこにどれだけ己の色を出せると思うんだ?

つまり短編を書くという志向は、
面白い話を書こう!よりも、
短編に何とか収まる話を書かなくちゃならない!
に集中され、それを続けていくと長期的な話が、神作が書けなくなる→駄作家。



●逆に長編をストックし続ければ、精魂込めた作品が打ち切られても、別の名作をすぐ用意出来る。

短編とはジャンクフードであり、
長編は高い料理だ。

●ここの勘違いしてる人が多いが、短編を是とするノリこそが、
ここの人達が嫌うライトノベルの流派。


現環境で大流行、いや本屋で独裁政治をしている、

『連続短編型、異世界転生ラノベ』

の作家を目指す〜というノリなんですよね……。


作家でごはんって、ラノベ専門作家の場所だったんすか???
正直短編の練習がしたいなら、小説家になろうとかカクヨムに行くと良いですね……鍛錬のノリと矛盾している。

ミイルさんも作家を目指してるなら、短編は書かない方が良いよ。

ここは鍛錬の場だぞ?短編何ぞ書いて遊んでんじゃねぇよ!?っていう。




●個人的に古い考え方かもしれませんが、ネット小説は書く側も読む側も、

『物好き』です。

商売面や若年層のブームを度外視して、わざわざこんなネットの読みに来る者は、すべからく玄人と見ます。

世の中には紙の本が有るんだ。出版されてる神作は有るでしょう?

つまりネット小説に来る客は、紙の本じゃ満足出来ない飢餓者。
会社や世間の規制から外れた、紙の本より更に面白い小説を求めている。
そして書いてるアマチュアの者は、世の作家よりも実力が有る&規制されてない面白い話を書いてくれる筈だ!とハードル高くします。私も昔はそのつもりでした。


●だが現実は真逆。

紙の本以上にヒッデー物がチヤホヤされ、更にそれが多数派となり、もはや紙の新人賞は塵となり、

『小説はネット小説以外、許されない。会社も採用しない。許可しない。売らない。本屋も仕入れない』

というアッーセイwww

今では紙の新人賞に送る方が、物好き。情弱と悪く言われる可能性も有ります。


●いや逆に私はプロ向きじゃないと、自覚してます。

商売するには、読者受けするような、何のタメにもならん駄作を量産する技術が必要。

私は凝り性なので、たった1つの、1番強い小説を書こうとしてしまう。

売れるかどうか解らない神作より、大多数に変われるテンプレ書けないとね。

私はプロではなく、ただトップ争いを見てきて、それに合わせて作品を書いてるだけなんで(^^;)



●それも否定します。
今の若者はダラダラとした、展開の遅い、主観の話を好むんですよね。

だからデュラララもアンデットブーストのおかげで運良く長期番組化して良かったのですが、バッカーノは未だに2期来ないしね……。

低年齢層は群像劇や主観視点以外にはアレルギー発生する人が、思った以上にいっぱい居るらしい……。本当かよぉ〜?と思ってた時期が私にもありました。


Gknightで測ると、1話が群像劇だから案の定、なろうや作家でごはんなどの若者にはウケない。

そうだろうなとは予想は有ったが、個人的に神作ならば1話はタメ回。タメる程に質が上がる!と考えているので、そこは曲げませんね。

まあ今書いてるラノベ版では変わるかも。

2017-09-10 17:20

126.152.1.199

零斗留ト

調べて見たけど、これは面白そうですね!私が好きなジャンルだ。

でも原作は良くても、映画版は酷評されてるようです……(ー ー;)
今度リメイク?するみたいだから、原作読むか新作待ちしてみては〜。

2017-09-10 17:28

126.152.1.199

零斗留ト

あ、ちなみに今回の話で、良かった所や悪かった所を教えてくれれば。そこ書かれてなかったので〜^_^

2017-09-14 09:05

121.116.48.57

加茂ミイル

台詞が時々コメディタッチになるんですが、これは私的にはいいところでもあり、場合によってはもうちょっと違うやり方の方がいいかなと思う点でもありました。
私はファンタジーには幽玄な感じを求めるタイプなので、セリフも幽玄な感じだと好きです。

2017-09-15 08:46

125.205.104.163

零斗留ト

お返事どもです(^-^)
よく読者から
「文章と話が固すぎる。もっと軽くしてコメディ入れろ」ってのが多いので、なるべく明るいシーンを増やしてる感です。

でも私は生真面目なキャラなので、どうしてもグロ鬱を入れたがるきらいがw

元々はスプラッタ小説家だったので、残酷描写だと筆がスイスイいくしね(・・;)

個人的にはギャグエロは一切無くしていきたいけど、それだと飽きちゃう客がいるんですよね。

個人的に気になるのは、
エンディックの情けない過去、黄金騎士と緑の勇者の問答。そしてエンディックと老戦士のくだり、などは上手く書けてたでしょうか?

2017-09-15 14:19

121.116.48.57

加茂ミイル

エンディックの過去が情けないというよりは、かわいそうな感じがしました。

黄金騎士と緑の勇者の問答

黄金棋士と緑の勇者の追走劇はテンポよく描かれていたと思います。

エンディックと老戦士の会話は「罪と罰」を思い出しました。

2017-09-15 18:23

125.205.104.163

零斗留ト

エンディックは目的を達成して帰ってきた……のではなく、果たせなくて帰ってきた主人公なんですよね。
彼の人物像は、夢を叶えられなかった、諦めた側の視点と成っております。
でも彼の場合、努力する前から、飛び越してそれに成れたわけで……。

ここでのシナリーとの会話は、後半の2人の話の決着に繋がるシーンです。


エンディックのあの場での行動は、老人を救えたとは言えません。
それでも行動するのは、先の会話の中にもあった通り、「ごっこ遊びに過ぎない」から。
経過で満足している。
この道楽の論理は、全ての英雄偶像に言える話だし、最後の緑昇戦でも出てくる、本作全体のテーマとなってます。

2017-09-15 21:53

121.116.48.57

加茂ミイル

個人的な意見ですが、セリフの分量をもっと少なくする方が、私好みの作品になりそうな気がします。

2017-09-16 09:14

125.205.104.163

加茂ミイル

あくまでも私の個人的な意見なので感想として正しいかどうか自信がないのですが、
セリフと地の文の境目が曖昧になっている部分が見受けられる印象を受けました。
セリフが多くて説明的で饒舌になっているように感じる部分もありました。
登場人物が口頭で説明しているところを、地の文とのコンビネーションでもっと抑制的になるともっといいかなと思える所がありました。
いろいろなことを登場人物に言わせるのではなく、物語の展開の中で読者にじわじわ分からせていくという手法もありかもしれません。

台詞と地の文の間にもっとメリハリがあると、もっといいかなって思いました。
これだけの分量を書ける作者様なので、遠回しに示唆するところは遠回しに書きながら、
じっくりとじわじわ味わいがにじみ出て来るような、そういう書き方をするところもあると、
もっと魅力が増すような気がしました。

2017-09-16 09:27

125.205.104.163

零斗留ト

ミイルさんへ。
それは今のプロの流行りが、境目を曖昧にすること=地の分もくだけた方がいいというノリだからです。

私としては作品のメッセージ性や悲しげな作風は変えたくないけど、文章の書き方などはなるべく客受けを気にした方が良いかなと←ずっとガチガチなの変わってないっすね……やっぱ自分にはラノベ書けないんやな(゜o゜;;

私もミイルさんの指摘の通りだと思うのですが、最低限の客受けは必要と思うので、この形を是としていきます。

あと個人的にニアダの暗い過去は、直接的な描写が避けられてて、他との差別化出来てるなと思ってます^^

それと読み返してみると、この回の、エンディックが傘も作れない

シナリーが作れる

シナリーが友に肩を貸して帰る(彼女か無くした年上属性の発露)

って流れが、ここでは7話か8話になる予定の内容に反復してて良いなーと。まあ狙ってるんですがw

特にここで作った傘のイメージが、この後何度もエンディックを助けていくことになるのは、ウルっときますね(/ _ ; )

この傘は後半のマモン、緑昇戦のときに、メイン技として活躍することになるので、その話を読むときは今回のことを思い出すと良いかも(^^)

2017-09-16 15:52

126.253.7.223

加茂ミイル

今、零斗留トさんは自分のスタイルを模索しているのだと思います。

零斗留トさんとしては、ラノベっぽい書き方をしたいのであって、ガチガチした感じが残っているのは本意ではないということでしょうか?
それともどちらか一方に偏るのではなく、混在した書き方を目指しているのでしょうか?

2017-09-16 16:29

125.205.104.163

ヘド

また、


零斗留ト    か






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

もう、書かんでくれ。

たのむ。



へど。

2017-09-16 17:15

219.160.114.218

加茂ミイル

>「よーし坊や、お母さん助けたかったら、オジサン達の言うこと聞くんだぞー?」

ここなのですが、

「よーし坊や、お母さん助けたかったら、オジサン達の言うこと聞くんだぞ」
の方が私は何となく好きです。

2017-09-16 18:53

125.205.104.163

零斗留ト

ミイルさんへ。
スタイル……というかこれでも崩した方なんですよねw最初の頃は師事してる作家の書き方にそっくりになっちゃって、人気出ない方でしたし。

今のフェイントというか、読者を軽いのだと騙してから引きずりこむ形にしたら、ぐっと人気にも出たので。
それに作家でごはんだと特にそうなのが、難しい文章や表現は忌避されがちなんですよね。

結局の所、混在したのを目指してます(^ ^)といっても極端な作風になってますがw

2017-09-16 21:28

126.247.13.87

零斗留ト

ヘドさんへ。
捨て垢で嫉妬するより、自分の鍛錬をした方が良いですよ?
貴方の文を説明すると、その書き方では嫉妬心丸見えです。

もし悪く思ってるなら、書くな〜などと言うわけないですよね?
Gknightは一巻構成の手本にもなるようにしてるので、本作を読んでテクニックを学んでください。

2017-09-16 21:32

126.247.13.87

加茂ミイル

>師事してる作家

プロに弟子入りされたんですか?

2017-09-17 08:58

125.205.104.163

加茂ミイル

この作品についてですが、
もう少し一つ一つのシーンに立ち止まって、
人物の動作などの詳細について書き込まれてみてはどうでしょうか?

ちょっと話が進むスピードが速いというか、RPGゲームのストーリーをどんどん説明されているという感じがして、
小説としてもう少し別の要素を加えた方がいいような気がしました。
たとえば、人物の表情とか、心の奥の動きを示唆する描写とか、
どういう文学的な描写の分量を増やしてみると、もっと惹きつけられるものになると思います。

台詞も、あまりにもテンポ良く進みすぎているというか、
用意されているセリフを登場人物が読み上げているような感じがしました。
話が次から次へとスムーズに進み過ぎているというか。
もう少し、ためらったり、間を置いたり、読者を困惑させたり、といった仕掛けがあってもいいと思いました。

2017-09-17 10:17

125.205.104.163

加茂ミイル

(誤)どういう文学的な描写の分量を増やしてみると、もっと惹きつけられるものになると思います。

(正)そういう文学的な描写の分量を増やしてみると、もっと惹きつけられるものになると思います。

2017-09-17 10:19

125.205.104.163

加茂ミイル

RPGファンの同人誌的なノリというのでしょうか?
そういうノリであるとすればこれでいいと思うのですが、
純文学的志向ということであれば、やはりゲームをやらない人でもすぐに呑み込める用語や言い回しを選んだ方がいいのかなという気もしました。

2017-09-17 10:21

125.205.104.163

加茂ミイル

あるいは、地の文とセリフのテンションを合わせた方がいいのかもしれません。
地の文が結構真面目で落ち着いた書き方なのに、セリフになると急にテンションが上がっているような感じがしました。
それが交互に来ると、ちょっと読みづらいかもしれませsん。

2017-09-17 10:32

125.205.104.163

零斗留ト

ミイルさんへ。
弟子入りとはちょっと違います。
別の所で詳細に書き過ぎだと指摘されたし、私は動作においてはリアルタイムを意識してるので、早い動作は行数少なく納めるようにしてるんですよね。

●私もそういう書き方を是としてるのですが、それって読者受け悪いんですよね。

文学的表現というか心理描写など、長く書き過ぎると飛ばされる可能性があります。
それに読者も色んな物語を既に読んで知ってると仮定してるので、
既知の話や他にもある要素は、なるべくサラッと書くようにしてます。
そしてこの小説だけの要素や論理などは、詳細に書くようにしてます。

●台詞というか話全体にテンポ重視にしてます。

前にも書いた通り、私としては重要な設定などは、なるべく台詞で言わせるようにしてます。
逆に必須ではないのは、地の文で。
読者からすれば、地の文より人物が言葉にだした方が、理解し易いからです。

それに前例としても、そうしなくてマイナスを被った作品を沢山見てきたので、尚更その手法の方が強い。

更に本作では登場人物同士の情報量に差異が大きく、それを共有する意味でも、この方法が是と思います。

●確かにテンションの差がありますね。でも読者としてはその方が面白がってくれるというか、両方同じだとツマラナイ文章になってしまう可能性があります。

2017-09-17 12:14

126.152.208.218

加茂ミイル

いろいろな経験を通して、零斗留トさんなりの観点を築いているんですね。
私も零斗留トさんの考え方から教えられることが多いです。
すでにいろいろ書き尽くされている時代、新しいものを生み出すのは大変ですね。

2017-09-17 13:52

125.205.104.163

加茂ミイル

質問よろしいですか?

>「悪いことをしてはいけません。他人を傷付けるのは悪いことです。逆に良いことをしていれば、きっと幸せになれるのよ?」

さいごの疑問符はどうしても必要なのでしょうか?

2017-09-17 15:11

125.205.104.163

加茂ミイル

女の人が「なれるのよ」という時に語調が上向き加減になるのは分かります。
でも、疑問符をそういうのに使うべきなのかどうか、迷います。

2017-09-17 15:12

125.205.104.163

加茂ミイル

と言いますのも
「なれるのよ」
とさえ書けば、読者の頭の中で語尾は上向き加減になると思うんです。
疑問符をそこで使うと、ちょっとやりすぎな感じがしないでもないですね。

>「んだよババア、嘘付きやがって。嘘吐きだから泥棒が来ちゃうんだぜぇ? さてどこかな?」

来ちゃんだぜぇのところも、疑問符なしでも読者の頭の中では音声は適切に処理されると思います。

2017-09-17 15:14

125.205.104.163

加茂ミイル

とすると、零斗留トさん的には音声的なノリを大事にしてるということでしょうか?

2017-09-17 15:15

125.205.104.163

加茂ミイル

零斗留トさんの文章は日本語として基本的なルールはしっかり出来ているし、
文章も美しく整っているので、読みやすさという点は十分クリアできていると思います。

2017-09-17 15:20

125.205.104.163

零斗留ト

私は長く書いてる〜というより、長く読んでるといった感じです。
色々読んで、これが1番面白いな……これには勝てないな……とか、そういう先輩を真似る……ではなく仮想敵にして、これに勝てるor無理にしてもチョイ下くらいに行けるテーマや論理、新しさを狙ってます。

どうもここの人達の多くは内容に嫉妬してるのか、書き方が〜と内容のない感想きますが、そんなのここで書いてる時点で百も承知なんですよね。

それじゃあダメなんですよ。
先に面白いという席に座ってる先達と、同じ料理のやり方で勝てる可能性は低い。
だから後から来た我々がやるべき書き方は、
まだ座ってない、数の少ないテーマで神作を書いたり、
今までにない設計を作るしかない。

ここでガッカリしたのは、見て来た話の多くが「知ってる」話ばかりだったこと。
順番や配列は違えど、知らない本は特に無かった……。


●確かにその方が良いかもなー。うーん。
一応ニアダさんの母親の、?は、彼女自身が子供に言い聞かせる己の言動を、信じきってない……という含みも込めてます。

だって大人だしね。

私はあまりにも凝り性なので、台詞や描写など、文章に細かい含みを持たせたがる傾向有り。


●はい、人物の音声や発音などは工夫してます。
エンディックなどが顕著ですが、例えば技の発音なども気合の入り方から、技名と違い過ぎやんけwみたいなのが多いです。

私は動作や音声など思い描きながら、その場面で経過する時間なども考えて、行数を調整するテクを採用してます。

なので例えば、一合毎の心理描写は濃く書くこともあるが、
動作描写はなるべく短く、早く書くようにしてます。

なので台詞に説明をやらせて、地の分は描写に専念する〜みたいな。

●ありがとうございます。しかし個人的に疑問なのが、ここでくる読み辛いってコメントが謎なんですよね(ー ー;)
これだけ神経質に読者に読みやすいよう、文章配置に気を使ってる本作の、どの点が読み辛いのだろうかと。
正直感想書いてくれた人のを参考にしようとしたら、これより読み辛い文章ばっかで、え?どん判!?ってなりましたね……。

2017-09-17 17:28

126.233.128.217

加茂ミイル

地の文はスタイルの違う私から見ても、しっかりしていてプロレベルと感じました。

ただ、先ほども申し上げました通り、セリフの書き方で、私の考え方とちょっと理念が違うかなと思われるところはありました。

それは本当に人それぞれで、私と零斗留トさんの意見が必ずしも一致しなければならないところではないと思いますし、
セリフこそが零斗留トさんの個性を生み出す源泉になるのかもしれないですし。

あくまでも私なりの感じ方をここで書かせていただいています。

2017-09-17 18:05

125.205.104.163

加茂ミイル

ところで、零斗留トこれは何と読むのでしょうか?
深い意味はありますか?

2017-09-17 18:06

125.205.104.163

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