作家でごはん!鍛練場

『あの食堂でまた』

はちわれ著

 初投稿です。

 ラノベっぽくなってないか、回想に入る前、兄と姉が話しているようだが実は妹と話していた、そのように受け取られたら幸いなんですか、果たしてそのように表現出来ているでしょうか。
 また読んでいて違和感があったかどうかを教えて下さると嬉しいです。

 最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

 8月の下旬、残暑が厳しい中、俺達は人で賑わう商店街を訪れていた。
「腹が減ったと思ったら、もうこんな時間か」
 腕時計をちらりと見る。
「あ、本当だ。何か食べよう!私もお腹減ったあ」
「そうだなあ…ちょっと歩くけど、いつもの所で食うか」
「いいよー」
 ここから少し離れた所に寂れた食堂がある。嵐が来たら吹き飛んでしまうような、ボロっちい見た目だが、中はそこそこ綺麗で飯は絶品である。しかし、商店街のレストランの方が小洒落ているからか、若い人はあまり来ない。ほとんど昔ながらの常連客で成り立っているようだ。俺達は小さい頃から家族でよく食べにいていたからか、社会人になってからもふと立ち寄りたくなる。
「いらっしゃい、何名かい?」
 俺は指を二本立てた。
「おばちゃん、今日のおすすめ何かある?」
 俺達は常にこれだ。メニューは一応あるのだが、ほとんど見ない。おばちゃんの本日のおすすめは絶対に外れが無く、栄養バランスも良く、必ず美味い。でもまあ、お袋が作る料理がなんだかんだ一番だが、それに近いくらい安心出来る。
「今日はハンバーグ定食だよ。昨日からお肉を味付けして寝かしといてあるからね」
「じゃあ、それを二つ。いいよな?」
「うん」
「嬉しいねえ、おばちゃん今日のハンバーグは自信があるんだよ」
 俺達はおばちゃんが料理をしている目の前の席に座った。
「…そう言えば、姉貴と最後に食べたのも、これだったよな」
「そういや、そうだったねー…」
「もう3日も経つのか」

 3日前、姉貴は失踪した。

 …

「はあ?今から食堂に迎えに来いだと?またかよ、何言ってんだよ」
 電話越しから酔っ払った声が聞こえる。
「だーかーらー終電逃しちゃってえー帰れないのお。迎えに来ーてー」
 これが自分の姉貴だと思うと悲しくなる。
「てか、美香も一緒なんだろ。あいつはどうしたんだよ」
 美香は俺達の妹で、今夜は姉貴とあの食堂で飯を食う約束をしていた。
「あの子途中でえー彼氏に呼ばれてえー先に帰っちゃったのおーひどくなあい?せえーっかく姉とご飯食べてたのにさあー…ひっく」
(…あいつ、こうなるの分かってて帰りやがったな)
 姉貴は酒に弱いくせに飲兵衛である。困ったものだ。
「残念だったな。あいにく、俺は既に酒を飲んでしまって運転できない。大通りに行ってタクシーに拾ってもらえ」
「ええ?!ちょっとまっ」
 俺は電話を切った。ここ最近残業続きで、こっちも疲れてきっていた。姉貴には悪いが、流石に今から迎えに行く気力体力は無かった。ちなみに酒は飲んでいない。
 姉貴の呼び出し電話から少し経ったあと、再び姉貴から電話がかかってきた。最初は無視しようと思ったが、無事にタクシーに乗れたという連絡かと考えたので、とりあえず電話に出る。
「ねえねえ!!聞いてよ!!お姉ちゃん助けられちゃった!!」
 出た途端、いきなり大声で話してくるもんだからたまったもんじゃない。え、助けられたって?
「はあ!?一体何があったんだよ」
 不安が募る。
「あのね、あんたが来てくんないから、仕方なくタクシーで帰ろうと思ったのよ」
 それに関してはスルーしよう。
「そしたら急に男の人が「もしもし、あなた食堂からつけられてますよ」って教えてくれたの!!」
 真夜中もいい所だ。酔っている姉貴は狙いやすかったのだろう。本当、昔から危なっかしい。
「親切な人がいて良かったな。それで姉貴は今どうしてるんだ?」
 でも、報告しているって事はタクシーに乗れたのかな?そう思ったが、予想から大きく外れた答えが帰ってきた。
「その親切な人の車の中!!何となんと危ないから送ってくれるって言ってくれてね」
 それを聞いた途端、俺は言葉を失った。一番最悪なケースが思いついてしまったからだ。
「…姉貴、早く車から降りるんだ」
「はあ?どーして降りなきゃいけないのよ!せっかく送ってくれる言ってんだから良いじゃない!どうしてよ!?」
「…じゃあ、どうしてその人、姉貴が「食堂から」つけられているって知ってるんだ?通りすがりのひとだったら「食堂から」って言わねーだろ!!」
「え?」
 ククク、と電話越しから聞こえた気がした。
「姉貴!?」
 電話が向こうから切れた。
「姉貴!?姉貴!!!」
 何度かけ直しても、姉貴は電話に二度とでなかった。
 そして、二度と戻ってくる事は無かった。
 あの時、俺が面倒くさがらずに行っていれば…握られた俺の手が血だらけになるまで気づつかずに、俺は何度も壁を殴っていた。

 …

「はい、お待ち。おばちゃん特製のハンバーグ定食が出来たよ」
 おばちゃんは目の前の俺達に置いた。肉汁が美味そうに音を立てている。
「あ!おばちゃん!お酒ちょうだーい!」
「はあ?お前昼間っから飲んでんじゃねーよ!あの時みたいに二の前にな」
「うるさいなぁ、兄貴がいるから平気だろ?」
「美香、だからって…」
 未だに姉貴は見つかっていない。姉貴が失踪してから妹は姉以上に酒を飲むようになった。姉が居なくなったのは自分の責任だ、と強く責めるばかりに酒を求めるようになったのだ。そして、この俺も。
 俺達は今も姉貴を探している。
 必ず、見つかると信じて。

 いきなり、俺の携帯が鳴った。

「…警察から?」
 もしかしたら…姉貴が…
 妹が心配そうに俺を見ている。俺が予想しているのが正しかったら、俺達はもう立ち上がることが出来なくなるかもしれない。
 恐る恐る電話に出た。
「………」
 またしても俺の予想は外れた。
 けれど、今回は良い方向で。
 俺は深呼吸をして、ゆっくりと丁寧に妹に告げる。

「姉貴が、生きたまま見つかった」

 涙が溢れ出した。

 …

「3日間だけ、娘の代わり役になって欲しい」

 親切な人が私を何処かに連れ去ってしまうのは分かった。一刻も早く車から降りなければならない。弟の電話で酔いが一気に冷めた。車のドアを開けようとするが、全てにロックがかかっていて開かない。一か八か、運転している誘拐犯を襲い、その隙に逃げようと思った。実行しようとした寸前に、男は思いもよらず言葉を放ったのだ。
「何を言っているのですか」
「言っておくが拒否権は無い。断った場合、あなたの家族、友人、その他関わりのある人物は全て消すし、もちろんあなたも消えてもらう」
 何という脅し。ここまでくると、何ともまあ清々しいものだ。
「…私、何かしましたか」
 全くと言っても過言ではないほど、私には何も心当たりは無かった。
「何もしていない。強いていえば、娘とそっくりの容姿を持っている事だ」
 流石にこれは参ったね。どうしようも出来ないではないか。
「早く決めてくれ。答えによって俺の行動が変わる」
 嘘を言っているようには見えなかった。ここから脱出出来ない以上、とりあえず今だけは従うことにしよう。
「…分かりました。本当に3日間だけならば」
 皆が殺されないために。もちろん、この私も。
「約束する。ありがとう」
「………」
 きのうせいかな、一瞬親切な人が泣いているように見えた。

あの食堂でまた ©はちわれ

執筆の狙い

 初投稿です。

 ラノベっぽくなってないか、回想に入る前、兄と姉が話しているようだが実は妹と話していた、そのように受け取られたら幸いなんですか、果たしてそのように表現出来ているでしょうか。
 また読んでいて違和感があったかどうかを教えて下さると嬉しいです。

 最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

はちわれ

42.124.107.240

感想と意見

アフリカ

拝読しました

>ラノベっぽくなってないか、回想に入る前、兄と姉が話しているようだが実は妹と話していた、そのように受け取られたら幸いなんですか、果たしてそのように表現出来ているでしょうか。

ラノベ……と言うかなんと言うか……
ラノベの書き物ってかなり計算されて書かれていると思うんですよね。ターゲットとしての年齢を考慮していると言うか……
御作の書き方は……と言うか、どのくらいの年齢に向けた物語だと、はちわれさんは考えられていたのでしょうか。

>また読んでいて違和感があったかどうかを教えて下さると嬉しいです。

結構……根本的なのが沢山……
あると思います。

ん~

先ずは……

恐らく「はちわれ」さんは映画や漫画やドラマのシーンを思い描きながら書かれたのだと思うのですが映像が説明してくれる部分を小説では自分が説明しないといけないと思うんですよね。だから、小説だと、映画等で使われるカメラの在り方では読む側は混乱してしまう。誰が何処にいて何を話しているのか説明しないと理解できない。それを想像させなければいけない。
逆に、完全な一人称タイプの映画は殆ど無いしあっても、なかなか難しいものだと感じます。
絶叫マシーンや車の運転席からとられた映像の感覚が一人称です。漫画やドラマ、映画など、観客は見たいところを観るし、見せられている。どちらかと言えば神の視点ですよね。
御作の場合。その辺で、ん? ん? と、なる場面が沢山出てきます。次回作は注意して書かれた方が良いと思います。

内容的にも、ん? と、なる場面や思考がありますが初投稿とのこと頑張って書かれたのだと感じます。

小説もスポーツも反復練習がとにかく大事だと僕は感じますのでドンドン書き続けて下さい。

ありがとうございました

2017-08-07 15:35

49.104.28.64

はちわれ

アフリカ様
 
 コメントありがとうございます。
 
 確かに…改めて読むと、説明不足の所が多過ぎですね。
 もっともっと勉強して、書き続けていきたいと思います。

 的確なアドバイス、ありがとうございました。
 

2017-08-07 16:29

42.124.107.240

加茂ミイル

はちわれっていう猫の種類がめちゃくちゃ好きです。

2017-08-09 08:22

60.34.120.167

はちわれ

加茂ミイル様

 コメントありがとうございます。

 私もはちわれが好きです。

2017-08-11 13:58

42.124.107.240

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