作家でごはん!鍛練場

『タルタロスの庭』

Beeの巣著

 前回書いた作品をリニューアルしました。
 足らないところがあれば指摘をしてもらえるとうれしいです。
 第1章が終わったところで出したので、中途半端な終わり方だという意見をお持ちの方には本当に申し訳ありません。

 2112年、日本政府は消滅の危機にさらされていた。
 理由は簡単。 強力なテロリストが出現したのだ。

 そのテログループの名は大日本帝国軍。
 1世紀半ぐらい前に滅んだ帝国をもう一度復活させようとしているらしい。

 大日本帝国軍は『大企業本社の破壊』や『タンカー爆破』などと過激なテロ活動を行った。
 なので、それまでテロなんて他の国のことだと考えていた人々は震えあがった。
 パニックに陥った市民を見て、このままでは日本が滅んでしまうと考えた政府は対策組織を作った。

 この物語はテロ組織である大日本帝国軍と、政府の作った組織「ガードナー」による戦いを描いた物語である。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 対大日本帝国部隊「ガードナー」のトップである大森純一は、世界テロ撲滅部隊の元リーダーである。

 世界テロ撲滅部隊の元トップということだけあって、判断力、行動力、勘のすべてを備えており、大日本帝国軍が無くなるのは時間の問題ではないかと思われていた。

 さて、そんな大森は今日も日課の見回りをしていた。
 大森がどこを見回りしているのかというと、ガードナーの基地である「キャンプ」だ。
 戦いの勝敗には隊員のメンタルが大きく関わる事を知っている大森は、見回りをすることで隊員を元気づけようとしているのだ。

 午前6時、大森が隊員寮見て回っていると、後ろから声が聞こえてきた。

「大森大隊長、おはようございます!」

 大森は振り向く。
 するとそこに立っていたのは、狩野麗華小隊長だった。
 大森は彼女に笑顔を向ける。

「ああ、おはよう。 で、何か用かね?」

 狩野小隊長は今年入ってきた新人だが、能力が高すぎるあまりに小隊長になったという逸材だ。 そんな彼女が何も用がないのにあいさつをするとは大森には考えられなかった。

 すると大森の予想通り、狩野は大森に用件を話し始めた。

「実は、フォーメーションEに欠点が見つかったため、後で会議を開こうと制御室から連絡がありました。」

 大森はそれを聞いてため息をついた。

「まったく。 安全地帯でぬくぬくとしている奴らが会議好きなのはどこの世界でも同じのようだな。」

「確かにそうですね。 ・・・では、私はこれにて失礼します。」

 そう言うと狩野はその場を後にした。

 大森は、狩野の姿が廊下を曲がって見えなくなると懐から書類をひと束取り出した。

「・・・結局私は彼女すら信用できないようだな。」

 その書類の表紙には『j-g通信"極秘"』と書かれていた。

 大森はその表紙を10秒ほど見つめると、書類を懐にしまった。

「さて、確かめに行くか。」

 大森は歩きだした。

 大森が事故死をするのはこれから3時間後のことである。
 その死体の懐には何も入っていなかった・・・。

◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 第一代ガードナー大隊長(ガードナーのトップ)である大森トラックにひかれたのは2115年6月13日午前9時ごろの事だった。

 この事故を知った市民達の間には『まさか大日本帝国軍が殺したのでは・・・』という噂があっという間に広がった。

 しかし、この事件を起こした運転手は大日本帝国軍の仲間ではないということが知られるにつれて、その噂は無くなっていった。

 『大日本帝国軍が殺した?』という噂はすぐに消えた。
 しかし、まだ大きな問題が一つ残っていた。

 それは、『2代目大隊長就任問題』だ。
 
 政府は最初、3人いる中隊長の内の一人、紅隼人を大隊長にしようとしたが、その案は断念させなければならなかった。

 なぜなら、死んだ大森は家族に次の大隊長についての遺書を託しており、その遺書がマスコミに公表されると、世論が一気に傾いたからだ。 ・・・その手紙にはこう書かれていた。

『次の大隊長は狩野麗華小隊長にぜひお願いしたい。』


◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 大森の遺書のおかげで狩野麗華は18歳という若さで大隊長に就いた。
 影では大森と肉体関係にあったのではとささやかれたが、彼女を知る人物は彼女がそんなことをするわけがないことを知っていた。

 その理由は残酷だ。 彼女は幼い時に帝国軍の生物兵器に家族を皆殺しにされ、それ以降欲に手を出さず正義のためだけに生きてきたのだ。
 そんな人間が上司とそんな関係になるとは到底思えない。

 まあ、狩野が絶世の美女だということを憎んでいる市民の女達が影で噂を流しただろうけれども・・・。

 さて、そんな狩野大隊長は現場へ向かうヘリの中で隊長全員を集めて作戦会議を開いていた。
 狩野は情報伝達役の木原隊員に尋ねた。

「では、今回のミッションは時限爆弾の解除ということですか?
 それだけなら100人も隊員を導入しなくてもいいと思いますが・・・。」

 木原は首を振った。

「いえ、それが・・・。 どうやら爆弾は電波によって動いているらしく、その電波の発信機を壊さない限りはどうしようもないそうです。」

 すると狩野のストーカーである日高駿中隊長がなにかをひらめいたらしく、大声を上げだした。

「妨害電波を使えばいいじゃないか! そうすれば一発で事が収まるぜ!」

 狩野はため息をつく。

 狩野は自分と同期である日高を軽蔑していた。
 日高は中隊長のくせに実力をこれっぽっちも持っていないからだ。
 なのに日高は狩野の事が大好きらしく、ストーカーと化している。 ・・・迷惑この上ない。

 狩野は日高に冷たい目線を向けた。

「日高中隊長。 少し静かにしてくれませんか?」

「いや、だって俺のこの天才的な頭がすばらしいこの・・・」

 次の瞬間、日高はそこには存在しなかった。
 そのかわり日高はヘリコプターの外にいた。
 なんと、上空300mだった。

 そう、日高はヘリコプターの壁を突き破って外へ蹴りだされたのだ。

「・・・え?」

 当然ながら、日高は落下した。

「ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!」


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 日高を蹴りだした後、狩野は残りの隊長達に向き直った。

「さて、これで静かになりましね。
 ・・・では、さきほど日高中隊長の提案を実行に移すことにしましょう。
 あの提案が一番合理的です。」

 しかし、木原は首を振った。

「すみません。 それは許可できません。」

「なぜ?」

「妨害電波を市内で使えば、国に多額の損害が出るからだそうです。」

「・・・・・」

 狩野は絶句した。 まさかここまでこの国が腐っているとは知らなかったのだ。
 しかし、国の命令は絶対だ。 国の命令を守らなければガードナーは国から資金をもらうことが出来ないからだ。

 作戦会議は最終的に、2つの電波発信源機を隊員達が突撃して壊すことに決まった。

 決定の理由は、2つの電波発信機はそれぞれ別々の建物にあるという情報があったからだ。
 なので今回狩野達が率いる100人の隊員を50人の部隊に分け、それぞれをその建物へと突撃させることになったというわけだ。

 ちなみに発信器がある建物を爆破するという案が出たが、場所が市内であるため国に損害が出るという理由で却下された。

 かくして、戦いは始まった。

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 突撃する2つのグループはAグループとBグループと呼ばれるのが基本だ。
 そして今回Aグループを率いて突入するのは大隊長である狩野だった。

 狩野は大隊長なので後方で指示を出すだけでもよいのだが、彼女は「私が戦わなければ部下はついてきません」と言って自分から戦いに参加しているのだ。

 まあ、彼女が戦いに参加する本当の理由は、彼女の家族が帝国軍に皆殺しにされてしまった恨みからだろうけれども・・・。

 さて、Aグループを率いることになった狩野は、同じAグループ重原清中隊長から突入する建物の資料を受け取った。

 重原は3人いる中隊長の内の一人で、重火器を得意とする60歳独身だ。
 彼は真面目で頑固な、まるで昭和時代からやってきたような人間で、狩野は彼を今は亡き大森と同じぐらいに尊敬していた。

 そんな重原から受け取った資料に、狩野は隅々まで目を通した。
 それで分かったことは、その建物が2階建ての倉庫だということだ。
 しかもその2階建ての倉庫はまるで箱を一つ置いただけというようなとても質素・・・いや、手抜きな倉庫だった。

 狩野は同じAグループの重原に尋ねた。

「これはとても戦いやすそうですね。
 帝国軍はなぜこんな簡単な作りの建物で戦おうなんて考えたんでしょう?」

 その言葉を聞いて重原はため息をついた。

「何を言ってるんだ。 この建物は戦場としてはとても面倒なんだぞ。」

 狩野は首をひねる。

「え、何故?」

「この建物は現在も倉庫として使用中。 しかも経営会社がケチだから商品が所狭しと並べられているんだ。」 

 狩野はそこまで聞くと急に厳しい顔になった。

「そうですか・・・では、」

 その言葉に重原はうなずく。

「ああ、帝国軍はゲリラ戦を仕掛ける気だ。」

 分からない方のために説明しておくと、ゲリラ戦とは、少数が多数に挑む時の基本戦略である。
 敵に味方の位置を悟られないようにし、そして奇襲などを繰り返して徐々に敵の戦力を削っていくことで、少数でも多数に勝つことができるのだ。
 いろんな物が所狭しと並べられている倉庫は隠れるのが容易なため、ゲリラ戦を容易に実行できるという訳だ。

 狩野は帝国軍がゲリラ戦をしようとしていることに気がつくと苦しそうな顔になった。

「また・・・たくさんの命が失われますね。」

 重原は空を見上げる。

「・・・確かにそうだな。 ゲリラ戦のステージに敵を自ら突撃させるとは、ニシキもゲスいことをするねぇ。」

 この時、狩野はニシキを心底呪った。 
 まあ、狩野がニシキを心底呪ったのはこの時だけではなかったが・・・。

 ニシキとは帝国軍のトップの名称で、超人的な脳を所持している最強の策士だ。
 その知能の高さに狩野は毎回泣かされている。
 そしてそのたびに狩野は、こんな天才といつも戦って勝っていた大森を尊敬せずにはいられなかった。


  ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 狩野達Aグループは倉庫に突撃を開始した。
 ゲリラ戦法に対抗するため、狩野は隊員達に全員で固まって動くように指示を出す。

 狩野達は敵の奇襲に注意しながら用心深く進んでゆく。
 狩野は背中に隊員達が緊張しているのを感じる。
 彼女も同じ気持ちだった。 まるでジャングルで獣に狙われているかのような感覚。

 彼女の額に汗が浮き出てきた。
 そして汗は頬をつたい、床に落ちた。

 その時だった。

 轟くような機関銃の銃声が鳴り響いた。 そしてそれと同時に一人の隊員が倒れる。

 隊員達は銃声のした方向へと一斉に銃撃を開始した。
 すると今度は反対の方向から銃声が轟き、また一人の隊員が犠牲になる。

 この様子を見て狩野は集団でいる限り勝ち目がないことに気付き、叫び声をあげた。

「全隊員数人でチームを作り各方面に散れ!」

 その声を聞いた隊員達は指示通り散り始めた。

 狩野は単独行動をとることにした。

 彼女はまず、倉庫の中で一番高い物を探した。 するとすぐ横に高さ4mはある巨大な箱を見つけた。
 その箱は何かに使う機械らしく、周りにコードなどがついていたため、狩野はそれを利用してすぐさま機械の頂上に到着した。 そして狩野はあたりを一望する。

 すると狩野の目に2人の帝国兵の姿が映った。
 一人は狩野の現在地に近いドラム缶の裏に、そしてもう一人は狩野から離れた場所にある冷蔵庫の裏にいた。

 狩野は自分に一番近い帝国兵に襲いかかった。
 虚をつかれた帝国兵は行動を起こす前に狩野の刀に両断される。

 狩野は休む暇もなくもう一人のほうへと向かった。
 しかし、もう一人の帝国兵は狩野が迫ってきていることに気付き、機関銃を構える。

 そして機関銃が火を噴いた。
 狩野は自分の横にあった超鋼鉄製の机を倒し、その裏に隠れた。

 すると帝国兵は機関銃のかわりにSALを構えた。

※SAL・・・ショットアサルトライフルの略。 2095年にアメリカで開発された。
    一発ごとにリロードが必要なかわりに壁や防弾チョッキを貫通する威力を持つ。
    22世紀の今ではSALと機関銃が中、近距離戦で最強と言われている。

 狩野は帝国兵がSALを構えたのを見て考えた。

 『なるほど。 この机ごと私を撃つつもりですね。
 なら、今の内に隊員を呼ぶという手も・・・』

 その時、狩野のすぐ横を弾丸が通り過ぎた。

『・・・どうやら、隊員を呼んでいる暇はないようですね。』

 狩野はため息をついて机の裏から姿を現した。
 すると帝国兵はそれを待ち構えていたようだった・・・帝国兵は既に銃を狩野に向けていた。

 そして、一発の銃声が響きわたった。

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 狩野に向けて銃弾を発射した帝国兵は驚いていた。
 なぜなら、狩野が。銃撃されても生きているからだ。
 帝国兵は自分に「自分は弾を外したか?」と問いかけた。 答えはNOだった。
 当たったはずだ、どう考えても。

 帝国兵が動揺していると、狩野が帝国兵に向かって走り始めた。
 帝国兵は銃を乱射する。

 しかし、狩野は止まらない。
 帝国兵は驚いた。 なぜこの女は生きているんだ・・・と。

 次の瞬間、帝国兵はさらに驚くべきことに気付いた。
 この女は銃弾を受けても平気なんじゃない。 銃弾を全て斬っているのだということを。
 
 帝国兵はその事実に茫然とした。
 そして、狩野に斬られた。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 狩野は自分を銃撃してきた帝国兵を倒すと隊員全員に聞こえるように大声を張り上げた。

「帝国兵を2人私が始末した! 帝国兵はこれで全員だと思うが、一応調べてみてほしい。」

 そして5分後、重原中隊長から報告があった。

「狩野大隊長。 この倉庫の中に帝国兵はもういないようです。」

 狩野はうなずく。

「わかった。 では、発信器を無力化して引き上げましょう。」

 すると丁度その時、隊員の一人が走ってきた。

「狩野大隊長。 発信器が見つかりました。」

 狩野はその報告を受け、重原に嬉しそうな視線を向ける。
 すると重原は『気を引き締めろ』とでも言うように厳しい視線を狩野に向けた。
 狩野は自分の気の緩みに顔を赤くした。

 まあ、そんなことはともかくとして、狩野は赤い顔のままその隊員に言った。

「わかりました。 すぐ向かいます。」

 その隊員は狩野が赤い顔をしていることを不思議に思った。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 その発信機は一辺30㎝ほどの箱だった。
 狩野は発信器解除を得意とする隊員に尋ねる。

「この発信器を無力化することに危険はありませんか?」

「はい。 この発信器は壊したところで焚き火ほどの煙が出るぐらいです。
 なので爆発物や毒ガスなどの罠は警戒しなくていいと思われます。」

 狩野はその言葉を聞くと、即座に指示を出した。

「分かりました。 ではなるべく早く無力化してください。」

 するとその隊員は「了解しました。」と言って発信機の箱をいじり始めた。

 狩野は発信機を楽しそういじっている隊員の顔を見て、『敵の機械をいじって楽しがるなんて、私には一生理解できそうもありませんね・・・』とため息をついた。

 そして3分後、機械をいじっていた隊員の手が止まった。

「よし、よし、よし! 発信機の無力化に成功しました!!」

 その言葉を聞くと隊員達の間で歓声が上がった。

 隊員達の歓声の中、狩野の肩に手が置かれた。
 その手の主は重原中隊長だった。

「お疲れだったな。 狩野大隊長。」

 すると狩野は重原の方を向き、軽く頭を下げた。

「いえ、これも重原中隊長のお力添えがあったからです。」

 その言葉に重原は照れたような顔をする。

「いやいや、今回の敵は全員君が倒したじゃないか。
 私なんてずっと帝国兵が怖くて逃げまくってたぞ。」

 その言葉を聞いて狩野は笑った。
 重原もつられて笑った。
 狩野は笑ったのなんて何年振りだろうと思った。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇


「はぁ。 ここで終わればめでたしめでたしになるのになぁ~。」

 狩野達の喜ぶ姿を見ながらその仮面の男はそうつぶやいた。

 するとその仮面の男は部下から声をかけられた。

「ニシキ総帥。 準備が完了しましたので、実行に移します。」

 ニシキと呼ばれた男はうなずいた。

「分かった。 じゃあ僕はもう帰るから、後の事は任せたよ。」

 彼の部下は頭を下げた。

「了解しました。 お気を付けてお帰りくださいませ。」

「うん。 じゃあねぇ~。」

 そう言いながらニシキはその場を後にした。

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 狩野は発信機を無効化できて喜んでいた・・・いや、狩野だけではない。
 重原中隊長やほかの隊員達も喜んでいた。

 そしてその結果、先ほどまで戦場だった倉庫は歓声と笑い声に包まれた。

 しかし、その完成がいきなり止んだ。
 理由はいたって簡単。 いきなり大量の水が降ってきたのだ・・・まるでゲリラ豪雨のように。

 狩野は大声を上げる。

「ここは倉庫の中だから雨は降らないはずよ! 何が起こったの!?」

 すると狩野の耳に重原の声が聞こえてきた。 とは言っても、その声は水のせいでほとんどかき消されてしまっていたが。

「どうやら、発信機の煙でスプリンクラーが発動してしまったらしい。」

 狩野は発信機を解除するときに隊員が「この発信器は壊したところで焚き火ほどの煙が出るぐらいです」と言ったのを思い出していた。
 そして彼女は考えた。 『たとえスプリンクラーが発動しても出てくるのは水だから、死傷者は出ないはず・・・。』

 すると狩野は隣にいる重原が厳しい顔をしていることに気がついた。

「重原中隊長。 そんなに厳しい顔をされて、どうかされましたか?」

 すると重原は暗い声で狩野に言った。

「・・・はめられた。」

 狩野はその言葉の意味がわからなかった。

「? それはどんな意味な・・・」

 するとその瞬間狩野の体に激痛が走り、彼女の意識は途切れた。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 水の上に浮かぶ大量のガードナーの隊員の死体見て、帝国軍の兵長である清水蓮は驚きの表情を作った。

「まさかここまでニシキ総帥の予想通りになるとは・・・やはり我らが総帥は戦の才能をお持ちのようだ。」

 するとその言葉に彼の横にいた帝国兵がうなずいた。

「まったくですね。 2人の兵を犠牲にして52名もの敵を全滅させたのですから、まさに”海老で鯛を釣る”というやつですね。」

 清水は困った。 ”海老で鯛を釣る”という言葉の意味がわからないのだ。
 ※海老で鯛を釣る・・・小さな損をして大きな得をすること。

 しかし、兵長である清水は部下に軽蔑されるのが嫌だったので、ぎこちない笑顔でうなずいた。

「ああ、確かにそうだな。」

 その帝国兵は清水の笑顔がぎこちないことに疑問を抱き、質問しようとした。
 だが、その質問は清水のもとへ報告しにきた他の帝国兵によって中断された。

 報告をしに来た帝国兵は慌てた様子で言った。

「清水兵長! 驚いたことに、全滅したはずのガードナー達の中に生存者が一人だけいます!! まあ、生存者とは言っても気絶しているのですが・・・。」

「何、そんな馬鹿な! 一般的な大人の致死量の2倍は電流を流したはずだぞ!?」

 清水はそう言うと、急いでガードナーの生存者の元へ向かった。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 その生存者の姿を見た清水は思わず息をのんだ。
 なぜなら、その生存者は絶世の美女・・・狩野だったからだ。

 清水はその女がガードナーのトップである狩野だと気づくと、隣にいた隊員に尋ねた。

「おい。 あの女は本当に気絶しているのだろうな?
 気絶していないとすればかなり手ごわい相手だぞ。」

「はい。 本当に気絶しています、遠くからですが機械を使って確認をしました。
 ・・・もしかして兵長はあの美女をおもちかえりするつもりですか?」

 清水はその隊員の頭をげんこつで殴ると、ため息をついた。

「そんなわけないだろ・・・。 あの女は刀使いで名高い狩野大隊長じゃないか。
 だから気絶してなくて抵抗されると犠牲者が出るだろ?・・・だから質問したんだよ。」

 清水のげんこつをくらった帝国兵は、頭のたんこぶをさすりながら驚いた顔をした。

「おお、それはおめでとうございます! 大手柄じゃないですか!」

 その言葉を聞いた清水は首を振った。

「いや、今回作戦を立てたのはニシキ総帥だ・・・この手柄は俺の実力じゃないよ。」

 そして清水は今回の作戦の内容を思い出していた。

 その内容はこうだ。

「1.全員倉庫に突撃させる。(敵に我々の目的がゲリラ戦だと思わせるのが重要。)」

「2.味方を2名だけ倉庫に残しておき、ゲリラ戦を行わせる。 これを行うことによって、敵は我々の目標はもう達成されたと思い込む。」

「3.発信機から起こる煙でスプリンクラーが発動する。 倉庫用のスプリンクラーの水は凄い量なので、だいたい50㎝ほど溜まる。」

「4.最後に、水に電流を流す。 平均的な致死電量の2倍ほどは流しておく。」

 これで敵は全滅する・・・という訳だ。
 この作戦が怖いほどに上手くいったのだから兵長である清水はそのことを嬉しく思い・・・そして同時にニシキの実力を恐ろしく思った。

 さて、そんな風に清水が色々と考えていると、彼の後ろで大きな音がした。
 清水は驚いて振り返った・・・するとそこには、一人の金髪の青年が立っていた。
 その青年は言った。

「さて、マイプリンセスはどこかな?」

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 清水はその男を観察した。
 何故観察したのかというと、清水は『初めて会った人は観察する』という癖を持っているからだ。 彼はこの癖のおかげで今まで多くの危機を回避していた。

 まあそれは置いておくとして、観察して分かったことは次の3つだった。

 1、この男は倉庫の天井を突き破って降りてきたということ。

 2、この男はガードナーの服を着ているということ。

 3、この男はイケメンだということ。

 この男はガードナーの服を着ていたので、清水はこの男の周りを帝国兵で取り囲む。

 そして清水はその男に尋ねる。

「お前は誰だ。」

 するとその男はショックを受けたような顔をした。

「え!? まさか君はこのイケメンボーイを知らないの!?」

 清水はこの男を本気で殴りたくなったが、我慢した。

「黙れ。 今お前は我々に周りを囲まれているんだ。
 おとなしく言った方が身のためだと思うぞ。」

 その男はため息をついた。

「はいはい。 言えばいーんでしょ、言えば。
 俺の名前は日高駿。 ガードナーの中隊長だ。」

 日高がその言葉を言い終わった瞬間、清水は背筋に強烈な寒気を覚えた。
 清水はその寒気の原因をさぐりだそうとする。

 清水が寒気の原因を探り出していると、彼の隣にいた帝国兵が日高に向かって言った。

「おい、日高とか言ったな。 お前、運ないな。
 味方が全滅してる所にのこのことやってくるなんてね!」

 すると日高はショックを受けたような表情をした。

「なにっ、全滅だと! じゃあマイプリンセスも死んだのか!?」

 帝国兵は首をかしげる。

「なんだ、マイプリンセスって?」

 日高は大声を出す。

「狩野大隊長の事だ!」

 その言葉を聞くと帝国兵は意地悪そうに笑った。

「ああ、あの女の事か。 彼女は今気絶してるよ。
 彼女以外の仲間は全員死んだっていうのに皮肉だよなぁ。
 ま、後で俺達が遊んでやろうと思ってるから彼女の事は安心しな。 あはははははははははははは!!」

 するとその時、清水は寒気の原因が分かった。
 それと同時に彼の顔から血の気が引いていく。

 先ほどまで日高と話をしていた帝国兵は、清水の顔色が尋常ではないのをみて心配そうに尋ねた。

「清水兵長、大丈夫ですか?」

 清水は、その帝国兵に言った。

「あの男は・・・危険だ。」

「日高っていえば怠け者で有名な中隊長でしょう? ならこの人数でなんとかできますよ。」

 すると清水はその帝国兵を睨んだ。

「分かった。 貴様がそんなに無知なら奴の恐ろしさを教えてやろう。
 おい、お前は敵の大隊長である狩野がガードナー入隊試験でどれぐらいの結果を出したか知ってるか?」

 帝国兵は笑顔で答えた。

「もちろんですよ。 狩野が危険だということの具体例としてよく言われることじゃないですか。 オールA《全種目高得点》ですよね。」

 清水はうなずいた。

「その通りだ。 じゃあ日高のガードナー入隊試験の結果を知ってるか?」

 帝国兵は首を振った。

「いえ、知りません。 日高については怠け者としか聞いたことがないです・・・。」

「そう、その通り。 日高は怠け者だから入隊試験の結果は噂になってないんだ。
 日高のガードナー入隊試験の結果はな・・・」

 そこで清水は一瞬言葉を切り、そして言った。

「オールS《全種目満点》だ。」

 その言葉を聞いた帝国兵の顔が見る見るうちに青ざめる。

「え・・・、それやばくないですか?」

 清水はうなずく。

「その通りだ。 オールSなんてのは大森やニシキ総帥と同じぐらいの天才しか取れないんだ。 つまり、あいつはニシキ総帥と互角レベルだってことだ。」

 清水の言葉に帝国兵は真剣な顔になった。

「では・・・一秒でも早く始末しましょう。 日高は・・・我々の脅威としてあまりにも大きすぎます。」

 その言葉を聞いた清水はうなずき、そして日高の方を向いた。

「日高中隊長。 貴様は今すぐ始末することになった。
 しかし最後に一つ聞きたい。」

 日高は首をひねった。

「なに?」

「君ほどの天才が、なぜこんな無謀な行動に出た?」

 すると日高は夢を見るような顔で言った。

「愛を・・・してみたかったんだ。」

「? ”恋をしてみたかった”の間違いじゃないのか?」

 すると日高は照れたように頭をかいた。

「おっとすまない。 まだうまく使い分けられていないみたいだ。
えっと、愛と恋の違いは恋=Loveと愛=Likeってことでいいのかな?」

 清水は首を振った。

「いや、それはちがうな。」

「じゃあどこが違うの?」

「・・・・・」

 清水はその時、自分が恋と愛の違いが説明できないことを知った。
 だが清水は日高にそのことを知られたくなかった。
 なので帝国兵達に大声で命令した。

「日高を撃て!」

 清水の大声を聞いた日高はため息をついた。

「はぁ。 君たちは”姫を守る騎士が世界で一番強い”というルールを知らないらしいね。」

 日高は駒のように体を一回転させた。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 日高の膝から下は水につかっていた。 その水を見て日高は『これはスプリンクラーの水かな? ということは帝国軍は電流を水に流したのかもしれないなぁ。』と考えた。

 日高の足元の水が赤い色をしていた。
 その理由は帝国軍の流した大量の血のせいだ。

 なぜ帝国軍がそんなに血を流したのかというと、日高に全員倒されたからだ。
 これは帝国軍が弱いというわけでは決してない。 日高が強すぎたのだ。

 そして恐ろしいことに、日高は帝国軍やガードナーの隊員の大量の死体を見ても全く動じなかった・・・あきらかに戦場慣れしていた。

 さて、そんな謎の多い人物である日高は、現在狩野のいる場所を探していた。
 『狩野は現在気絶している』としか日高は帝国軍から情報を得ていなかったのだ。
 日高はため息をつく。

「あーもう、あの帝国兵達《ざこども》め、マイプリンセスの場所ぐらい教えてくれてもよかっただろうに・・・。」

 すると、日高の後ろから声がした。

「あ、狩野ならそこの冷蔵庫の中にいるよ。」

「お、情報ありがとう。 さっそく見てみるとするぜ。
 ・・・って、お前は何者だ!?」

 日高は声が聞こえた方向に勢いよく振り向いた。
 しかし、彼の目に見えたのは倉庫に保管してある大量の荷物の山だった。

 その時、日高首筋に小さな風を感じた。

 日高は勢いよく振り向き、それと同時にナイフを勢いよく振った。

 次の瞬間、高い金属音が鳴り響いた・・・なんと、日高のナイフが敵の銃剣と勢いよくぶつかったのだ。

 どうやら、敵は日高に後ろから飛びかかって首を斬り裂くつもりだったらしい。
 しかし日高はそれを勘で察知し、自分の首が斬り裂かれる寸前に敵の攻撃をナイフを使ってガードしたのだ。

 ちなみに銃剣とは銃の先にナイフを付けたようなものだ。
 つまり、ナイフをガードしても銃を発砲されれば終わりという訳だ。

 そして、敵は銃剣の引き金を引いた。

 日高は姿勢を低くすることで、なんとか銃弾を回避した。

 すると敵は、姿勢を低くした日高へ銃剣を振り下ろす。

 日高は自分に銃剣が命中するまでの間に”ある武器”を使おうとした。

 だが、敵は危険を察知して5mほど後退する。

 敵が後退したのを見て『5mも離れていれば安全だろう。』と考えた日高は、その敵に話しかけた。

「おい、このイケメンボーイに奇襲を仕掛けるとはお前は何様だ。 ・・・まあ、強いのは認めてやるが。」

 するとその敵・・・仮面を付けた敵は和やかに言った。

「なるほど、強いと認めてくれるんだ。 センキューべリーマッチだね。
 で、質問に答えようかな。 僕の名は、ニシキだよ。」

 その言葉を聞いた日高の顔は驚きに変わった。
 それもそのはず。 ニシキは帝国軍のラスボスなのだ・・・それがいきなり目の前に現れて驚かない人はいないだろう。

 日高はニシキに言った。

「なるほど、お前がニシキか。 で、俺様に何の用だ?」

 ニシキはその言葉を聞いて首をひねった。

「あれ、君が僕の事を本物のニシキだと信じてくれるなんて驚きだなぁ。
 影武者だとは思わなかったの?」

 日高はニシキを睨んだ。

「思わないね。 俺様とほぼ互角に戦える奴はニシキ以外に考えられない。」

 ニシキは笑った。

「ああ、なるほどね・・・君は本当にナルシストだなぁ~。
 ま、そんなことはどうでもいいか。
 君には今から僕の仲間の命をたくさん奪った罰を受けてもらうよ。」

 その言葉を聞いた日高は大声で笑い始めた。

 ニシキは日高に尋ねる。

「どうした日高君。 僕が何かおかしいことでも言ったかい?」

 日高は笑いながら答える。

「あはははは! よくそんなことが言えるなぁ。
 清水兵長の隊が全滅するのはお前の計画の中だったっていうのにな!」

 ニシキは全く動揺を見せずに言った。

「そのとおりだよ。 よく分かったね・・・珍しく驚いたよ。」

 日高は得意げに言った。

「まあ、俺様は天才だから少し考えれば分かるのさ。
 俺が殺さなかった場合こいつらはどうなったかわかるか?」

  ニシキは返事をしなかった。
 なので日高は自分の考えを一方的に言ってしまおうと思った。

「まず、マイプリンセスの部隊から連絡が取れなくなったことで拠点のガードナー本隊が緊急出動するだろうな。 そうすれば、ここはすぐに隊員達に包囲されるだろう。
 で、清水達は全員自決する・・・そうすれば、生き残ったマイプリンセスは英雄だ。」

 ニシキは日高に質問をした。

「ちょっとちょっと。 君は帝国軍が大隊長である狩野を生かしておくと言うのかい?
 まるで笑い話だね。」

 日高は余裕の笑みを浮かべると、その質問に答えた。

「ああ、マイプリンセスが生かされるのには理由があったのさ。
 お前等、プリンセスにロボトミー手術を行おうとしたろ。」

 ”ロボトミー手術”と聞いて、ニシキのまゆ毛が少し動いたのを日高は見逃さなかった。
 日高は話を続ける。

「ロボトミー手術・・・20世紀に行われた手術だ。 どうやらこの手術をすると性格変化、無気力、抑制力の欠如などの副作用が起こるらしくてな・・・。」

 その時、ニシキが言った。

「だからどうしたの? そんなことをするより狩野を殺す方が手っ取り早いと思わない?」

 日高はニシキを睨む。

「黙ろうかニシキ。 俺は全てを知ってるんだ・・・お前ら帝国軍の後ろにいる奴らの事もな。」

 ニシキはその言葉を聞いてうっすらと笑みを浮かべた。

 日高はそれを見て警戒する。

「なにが面白い。」

「いや~、僕と互角に戦える人を見つけられてうれしいだけだよ。」

 その時、日高もうっすらと笑みを浮かべ、そして言った。

「お前の負けだ、ニシキ。」


◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 ニシキは日高の勝利発言を聞いて首をかしげた。

「ん? えっと、なぜ君は今勝利宣言をしたの?」

 すると日高はニヤリと笑った。

「お前は自分の作戦を逆手に取られたんだよ。」

 日高は指を鳴らした。

 すると倉庫に200名以上の隊員がなだれ込み、あっという間にニシキを包囲した。

 ニシキは納得したようにうなずく。

「なるほどね。 僕の計画の”狩野と連絡が取れなくなったガードナーは本隊を動かす”っていうところを逆手に取ったのか。 でも、惜しかったね。」

 ニシキがそう言い終わった瞬間、倉庫の中にあった荷物が次々と煙幕を噴出し始めた。

 それを見た日高は大声で隊員達に命令を出した。

「急いでニシキを拘束しろ! 逃げられるぞ!!」

 だが、時すでに遅し。 日高が命令を出した時には、ニシキは煙幕の中に消えていた。

 そして倉庫中が煙幕に包まれたころ、日高の耳にニシキの声が遠くから聞こえた。

「いや~今日はなかなか楽しかったよ。 また遊ぼうね~。」

 日高は歯ぎしりをして言った。

「くっそ、この俺様をコケにしやがって。 いつか後悔させてやるからな!!」


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 気がつくと、狩野は病院のベットの上にいた。

 狩野は慌てて体を起こし、周りを見回す。
 するとその時、日高が花束を持って病室に入って来た。

 日高は狩野が体を起こしているのを見て思わず手から花束を落としてしまった。

「OH! マイプリンセス!! 気がつかれましたか!!!」

 狩野はうなずく。

「ええ、私は大丈夫よ・・・で、私以外の隊員達はどうなったの?
 この病室には私以外いないみたいだけど。」

 すると日高はサラっと言った。

「ああ、みんな死にましたよ。」

 その言葉を聞いた瞬間、狩野の心は凍りついた。

 『え?私以外全滅?え?そんな、さっきまでみんな笑ってたじゃない。いや、嘘よ。重原中隊長が死んだ?そんなわけない、あの重原中隊長が死ぬわけ・・・』

 そして狩野の目から涙がこぼれた。

 日高はため息をつく。

「戦場で味方が死ぬのは当たり前じゃんか。 まあ、確かに大勢死んでしまって持ち駒が減ったのは辛いけどね。」

 その時、狩野は日高を殴った。

 日高は病室の壁に叩きつけられる。

 狩野は泣きながら言った。

「今すぐ、今すぐここから出て行きなさい!
 人の命を持ち駒としか考えなんて、そんなの帝国軍の奴らと同じよ、このクズ!!」

 日高はしぶしぶ病室を後にした。

 そして日高は病院を出ると、狩野の病室の窓に目をやり、つぶやいた。

「あの程度で泣くようじゃ、真実に耐えられるだけの心を持っているとは思えないぜ。 まあ、俺様は彼女のそんなところも好きなんだが・・・ああ、恋って大変なんだなぁ。」

 日高はどこか嬉しそうだった。

タルタロスの庭 ©Beeの巣

執筆の狙い

 前回書いた作品をリニューアルしました。
 足らないところがあれば指摘をしてもらえるとうれしいです。
 第1章が終わったところで出したので、中途半端な終わり方だという意見をお持ちの方には本当に申し訳ありません。

Beeの巣

115.179.127.115

感想と意見

GM91

現状は正直言って、あらすじというか創作メモの段階だと思います。
作品として仕上げるにはもっと構成とか文章とかを考える時間をとるほうがいいかなと思います。

2017-04-15 09:39

202.215.168.236

Beeの巣

 アドバイスありがとうございます!
 お話を最後まで書き終えたら、それから肉付けをしていこうと思います。

2017-04-15 12:55

115.179.127.115

弥言

少し違いますが、私もこういうエンターテイメント的な小説を書いています。
興味深く読みました。

大日本帝国軍が日本に攻めて来るというのは、面白い設定だと思いました。
ただ、細かいところで気になったところがあります。

・大日本帝国軍が何で現代にいるのか?
 もしかして前作にかいているのでしょうか?
 説明がないように見えました。無理やりなものでも何か説明がいるのかなと思います。「ジパング」という漫画では、雷にうたれたイージス艦「未来」がタイムスリップして第二次大戦でドンパチ始めます。かなり無理やりなタイムスリップで「おい」と思いましたが、その後の戦闘が面白ければすぐに忘れます。

・爆弾は電波によって動いている
 ゲリラ戦にするために必要なアイテムとして出してきたのだと思います。ただ、色々と無理やりな感がありました。
 
 電波によって動いているのであれば、電波吸収体や遮蔽体、極端な話、アルミホイルでまわりを囲めば簡単に無力化できてしまいます。
 絶対に遮蔽できない通信を考えると、SFの世界ですがニュートリノを使った通信や量子テレポーテーションを使った通信などがあげられます。
 ですが、ここではもっと簡単に例えば、

 「爆弾のカウントダウン信号は、電波によって送信されている。その信号が途切れたとき、爆発する(電波が遮蔽されたり妨害されたり、発生元が破壊されるとばくはつしてしまう)」
 「爆発を止めるためには、カウントダウン信号の発生器を奪取し、暗号化された解除信号を送信するしかない」
 のような設定の方が良いのではと思います。

 また、このような便利な爆弾を敵側が作る能力があるとなると、大量に作られ、色々な場面で使われて厄介になります。今回の事件も、二つだけでなく、十個でも二十個でも使えばいいじゃんとなってしまいます。
 なので
 「もともと、ガードナーの持ち物だったが、大日本帝国のスパイに二つだけ奪われてしまった(帝国軍には作る技術はない)」
 のようにして、今回だけ使われるようにした方がいいのではと思いました。
 爆弾の性能についてガードナーが把握しているのも自然になります。

何となくですが、楽しそうに書いている雰囲気が伝わってきました。私も楽しく読めました。

2017-04-23 18:51

124.84.83.158

御廚年成

拝読しました……と、申し上げたい所ですが、流し読みをいたしました。

御作は、「白ける」という言葉で表現出来ると思います。
どの様な読者を対象として書かれたのでしょうか。

以下、白けた箇所を列挙いたします。


1.当初の説明文は本文中に語らせれば済む事と思います。
>2112年、日本政府は消滅の危機にさらされていた。
>理由は簡単。 強力なテロリストが出現したのだ。

私であれば
「隊長! 今度はタンカーの爆破です。大日本帝国軍から声明が出ました!」
これで済むと考えます。


2.基本的知識の欠如
(1)階級
>次の大隊長は狩野麗華小隊長にぜひお願いしたい。

小隊長であれば階級は少尉または中尉です。
大隊長であるのなら中佐でしょう。
ここまで階級を飛ばす必要性が全くありません。
また、政府がこれを認める理由について理解する事が出来ません。


(2)理科的知識の欠如
>平均的な致死電量の2倍ほど
電流と電圧の区分すらついていない、そう考えざるを得ません。


(3)用語
>全員倉庫に突撃させる
「攻撃」「突撃」「突入」の定義すら明確に知らず、吐き散らしているように思えます。


(4)弾薬
>ショットアサルトライフルの略。 2095年にアメリカで開発された。
>一発ごとにリロードが必要なかわりに壁や防弾チョッキを貫通する威力を持つ。
単発銃なのでしょうか。
現在使われているNATO標準弾薬のSS109、その弾頭構造はご存知ありませんか。
また、バレットM82等のAMRでさえ、セミオートです。


(5)文法
>彼女は幼い時に帝国軍の生物兵器『に』家族を皆殺しにされ、
『で』の誤りだと思います。
『で』は格助詞、『に』は並立助詞です。



御作はミリタリーマニアをうなずかせるには至らない、と申し上げるしかありません。
以上、勝手な事を申し上げましたが、ミリタリーマニアとしては、Jane'sの年鑑程度は目を通してから書くべきと愚考いたします。


貴兄(で、宜しいですか?)の御健筆を祈念申し上げます。

2017-04-24 01:55

14.11.161.224

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