作家でごはん!鍛練場

『弱肉強食の世界で』

ユウ著

戦闘描写の練習で書いた作品

鼻を突く死臭、死屍累々の地獄絵図、度重なる戦闘、この世界はクソと言っても良いだろう。 弱者は淘汰され強者だけが生き残れるこの世界。 そんなこの世界の掟で、数少ない生存者が居た。

荒野を歩くのは、本来なら艶のあるだろう黒髪は痛み、手入れをしていたら美肌間違いなしの肌質もボロボロ、さらには破れかけた布切れを身体に纏わせた傷だらけの少女がこの世界での生存者である。

(……今日だけで40人近く殺しただろうか。 毎日毎日、飽きもせず……)

彼女は人を殺していると同時に自分自身の感情も殺している。 彼女の強さは感情を殺す事でさらに磨かれる。 彼女にとっての人殺しは『作業』みたいなものだった。

「……っ!」

殺気を感じ取り振り向くよりも速く彼女の剣が抜刀され、背後からの脅威を弾く。金属音が響き銃弾が上空へ吸い込まれていく。 完全に向き直ってから相手の姿を視認する。

まず目に入ったのは左手に持った大きめの口径の銃。 そして腰に携えている長剣。 そしてやはり殺気染みた双眸が彼女を射抜く。

(……またか。 41人目……殺す)

少女は内心辟易としながらも標的を殺すために駆ける。 蹴った地面が大きく抉られており、もうその瞬間には彼女の剣の間合い圏内に入っていた。 彼女の剣は男の胸を掠めるように抉る。 鮮血が少女の顔に掛かるが気に留めずさらに駆ける。

「おいおい……速えな。 流石にその歳でこの世界を生き抜いてきただけはある。ほっ!」

男は少女の速さに差して驚愕した様子も見せず既に長剣を抜いて少女の攻撃に対応してきた。 少女は一旦距離を取ると男の出方を窺う。 男は少女の行動を理解したのかいやらしく口角を吊り上げると左手を空に掲げた。

「魔法は知ってるよな? 今からそれをお見舞いしてやる」

男は左手に持った銃の照準を少女に合わせると躊躇無く引き金を引いた。 しかし少女はその全てを弾くと男の胴体を易々と切り裂く。

「がはっ!?」

魔法が発動するより速く殺してしまえば良いと少女は隙の出来た男の首を刎ねながら思う。 少女は血を払うと魔法を使って刀身を新品同様の状態にする。 微笑を浮かべると鞘に納め、また荒野を歩く。

(魔法も私の速度に比べればずっと遅く対策もし易い。 それに私も魔法が使えない訳じゃない。 使わないだけだ)

持って生まれた戦いの才能とそれにさらに磨きをかけるように血反吐を吐くような努力の賜物の結果が今の強さだ。

(……日が暮れてきたな)

空を仰ぐと星が輝き始めていた。 少女は今日はここで一夜を過ごすと決めると早速準備を始め即座に眠りにつく。 ただ、いつ敵に襲われるか分からない為うたた寝程度だが。

灼熱の太陽が照りつける暑さで目が覚めた少女。額を拭うと汗が滲んでいた。

(やはり……暑いな)

特に襲われずに珍しく眠れた少女だが常に危険は孕んでいた。 今日も荒野地帯を歩く少女。 少女は魔法の恩恵で先ほどのような灼熱には晒させず快適な温度で過ごせていた。

「……っ!」

第六感が働き、全力でその場から離れる。その数秒後、巨大な何かが飛来し、少女が立っていた周辺の地面が巨大な爆音と衝撃波により巨大なクレーターを形成する。 辺りは砂埃に包まれ視界が塞がる。

(……敵の襲撃か。 複数か単騎か……それは些細な問題だろう。だがこれ程の規模の魔法を易々とこなせる辺り単騎なのは間違い。 荒野と言っても障害物は岩肌が露出してるくらいだ。 それ以外は見晴らしは良い。 となると魔術師か)

「生命反応を確認。 対近接モードに移行する」

機械的な声が響いた直後、猛烈な一撃が少女を襲った。

「ぐっ……!」

その一撃で視界を塞いでいた砂埃を霧散させ、衝撃波が空気を押しのけながら広がっていく。 今までに感じた事のない手応えに少女も思わず声が漏れる。 そして敵対する存在を視認した瞬間、少女の思考が一瞬だけ驚愕に支配される。

全身を覆う分厚い装甲、頭部も頑丈そうな装甲で守られている。腕や足も全て機械で出来ており、どこからどう見てもロボットのそれだった。 初めて対峙する未知の存在。 先程の一撃は重く、少女の警戒心を引き上げるには充分過ぎた。

(魔法と接近戦の両方が出来るのか……。速度も剣戟も今まで戦った奴らの比じゃないな。 ただ、何であろうと私は斬る。それだけだ)

少女は剣を握ると自身の出せる最大の速度で相手との距離を詰め、その速度のまま剣戟を見舞う。 既に音速を超えており、衝撃波はソニックブームとなって駆け巡る。

剣の交わる金属音が鳴り響くと同時に周辺の地面が次々と抉れていく。 神速の剣戟を繰り出す少女にそれを捌く未知のロボット。

(落ち着け……冷静に。 捌かれてはいるが倒せない相手ではない。 何のために鍛え上げた身体だ。 どんな相手にも勝つためだ!)

少女は速度をさらに上げると背後に回り込み首を刎ねようと試みるがその一撃すらも躱される。 上空に飛び上がったロボットは少女を見下ろすと右手を突き出した。

「滅べ……矮小な存在よ」

その瞬間、荒野地帯そのものが吹き飛んだ。 圧倒的な暴力と化したただの魔力の塊を放っただけだ。 荒野を更地としたその桁外れな威力のそれが直撃したのにも関わらず少女は生きていた。

「…………」

少女はただ無言でロボットを一瞥していた。
何の感情も持たず淡々と、冷淡と。

(剣術だけであの化け物を倒すには無理だな。 魔法も使っていくか)

地形を変える程の威力の魔法を喰らったにも関わらず、それの影響を微塵も感じさせずに上空の暴威を見据える。 刀身に紅炎を纏わせると全力で飛び上がる。 またロボットが魔力の塊を放とうとするがそれより速く少女の一撃が穿つ。 超高温の一撃だったが装甲が溶けた様子も無く、部位欠損も無かった。

(やはり硬いな。 そして私の魔法にも耐える魔力耐性……何なんだこの存在は)

異常とも取れる耐久性の高さに内心驚きながらも最大速度で攻撃を放っていく。 既に人としての領域を超え始めている少女ですらこの未知なる存在に傷を付けることは難しい。

剣戟が生まれるたびに波紋状に広がる灼熱の紅炎。 それすら何処吹く風と言わんばかりに少女の猛撃を捌いていく。 少女もただ剣戟を繰り出すだけでは無い。 片手で魔法陣を編み、魔法まで繰り出すという人間離れした行為をやってのける。 猛烈な吹雪がロボットを襲う。

「流石にきついな人間よ……矮小な存在だと決め付けていたが評価を改めねばならん」

熱波と寒波に加え少女の猛攻に耐え難いのか機械的な声で少女の耳に届くように言葉を発する

「……」

少女はそれを戯言と決め込むかのようにさらに攻撃速度を上げ、ついに素早さでロボットを追い抜いた。 時間すら置き去りにする速度で背後に回り込み、渾身の一撃を放った。まともに直撃したロボットは凄まじい速度で地面に叩きつけられる。

「……はぁ、はぁ」

肩で息をしてはいるがまだ余力はある。少女はとどめと言わんばかりに魔力を練り上げると、地面から這い出てきたロボットを軽々と覆い包む灼熱の炎球を生成した。 それは徐々に圧縮していき、最終的にはバスケットボール大の大きさに落ち着いた。

そして少女が拳を握り締めるとそれに呼応するように炎球に超圧力が掛かり、そのまま超広範囲の爆発を起こした。 常人ならそれを掠めるだけで絶命するような超高温の熱波が少女を襲うが少女は顔を庇うだけでそれを凌いだ。

地形を変えるほどの戦闘の爪痕は大きく、最終的に荒野地帯を丸々吹き飛ばすまでの苛烈を極めた戦闘だったが、最後まで立っていたのはやはりあの少女だった。

鉄の塊と化したそれを淡々と見下ろす。 もう動き出す事は無いと分かっていたがこの未知なる存在がまだ何処かにいるかも知れないと少女に一抹の不安がよぎる。

「よくぞ……執行者……たる我を倒した。 この世界はもう貴様1人だ。 案ずる事は、無い……これで、貴様はこの世界に『認められた』」

動く筈のない鉄の塊が再び少女に語り掛ける。 少女はそれに耳を貸さず、前方に視界をやった瞬間、少女の思考が今度こそ停止した。
そして、言葉の真意を理解した。

少女の眼前を埋め尽くすはそこに転がるロボットの同型機。 これは、世界に認められた少女がただ1人で世界に抗った名も無き物語。

弱肉強食の世界で ©ユウ

執筆の狙い

戦闘描写の練習で書いた作品

ユウ

118.151.39.182

感想と意見

晴れて名無し

一段落目で早くも「ら抜き言葉」を発見して私の初心者レーダーが反応しました。ラ行は厄介なので、私は「可能」の意味を文脈で与えるようにして助動詞は使いません。(といっても私も初心者のワナビです)
そのあとで戦闘の描写を流し読み、分かったことはこれはいわゆる文章力の低いとされるライトノベルと同程度だということ。具体的な意見を言える作品に到達しておられないと私は思ったので、省略します。

2017-01-11 22:35

113.159.214.242

ユウ

晴れて名無し様
感想ありがとうございます。

ラノベと同程度の文章力ですか。
痛感しますね。 ら抜き言葉もありましたか。 ご指摘ありがとうございます。

2017-01-11 22:58

118.151.39.182

的野ひと

 拝読しました。

 殺伐とした雰囲気は伝わってきました。荒れた世界で戦う少女、かっこいいですね。
 しかしながら、表現が粗いために、おもしろさを感じるには至りませんでした。
 また、何の話がされているのかよくわからない部分がたくさんありました。
 具体的に、私が思う2つの問題点を指摘させていただきます。

■ことばの意味が正確に理解されていないように思われる点

>努力の賜物の結果が今の強さだ。
 という部分があります。「賜物」という語は、成果と同じ意味です。いただいたもの、という意味から転じています。ですから、「賜物の結果」と言ってしまうと、意味がわからなくなってしまいます。
 こういう部分が作中多く見られました。
 辞書を引いて正確な意味や用例を調べられることによって、よりわかりやすく、より豊かな表現が可能になると思います。助詞もそうだと思います。

■だらだらと説明がある点

>常人ならそれを掠めるだけで絶命するような超高温の熱波が
 という部分があります。
 だらだらしていると、私には思えます。失礼ながら、単に「熱波が」のほうが良いのではないでしょうか。
 しかも、「人としての領域を超え始めている少女」など、少女が超人的であることを言う部分は他にもいくつかあります。だらだら感が増します。
 一概には言えませんが、物語の流れのなかで必要な説明を、1度だけするように心がけられてはいかがでしょう。するとどんどん文が短くなるかもしれませんが、その残った文がおもしろさの「核」と言えるかもしれません。

 ことばを調べたり、文を簡潔にするのはたいへんだと思います。しかし、それをうまくやれば、この戦闘シーンひとつだけでも圧倒的な印象を読者に与えることができるようになると思います。
 ぜひともご研鑽なさってください。

2017-01-11 23:44

202.213.176.47

ポキ星人

 「生き残れる」 はら抜き言葉ではなく、使用に問題はありません。「生き残る」のような五段活用の語には、そもそも、ら抜き言葉はありません。
 同じく五段活用の語で、「歩く」という語を例にとると、その可能形は、「歩く」の未然形(「歩か-ない」の語幹部分)に「れる」をつけた「歩かれる」なのですが、あまり使われず、「歩ける」が使われることが多いですよね。同様に、「生き残る」の可能形は、未然形に「れる」をつけた「生き残られる」で、これも正しい言い方ですし、「歩かれる」よりは使用例が多いのだろうと思います。しかし、それと並んでもうひとつ、(つまり「歩く」>「歩ける」に対応する形で)「生き残れる」という言い方があるのです。
 このような変則的な可能形がきちんとのってない辞書が現状では多くてI(つまり「あるける」という見出し語もないし、「あるく」の項でも説明されてないので、結果的に「あるける」がまるで載ってない、すくなくとも常識的なやり方では見つけられないのが多い)、これは問題なんじゃないかと私は思いますが、『大辞林』はこうした可能形も明示しています。
https://kotobank.jp/word/%E7%94%9F%E3%81%8D%E6%AE%8B%E3%82%8B%E3%83%BB%E7%94%9F%E6%AE%8B%E3%82%8B-201998#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88


 という理解でいいはずですよ、たぶん。

2017-01-12 01:16

180.12.49.217

ポキ星人

 上で勝手に変則的な可能形とか書いたのは不正確で、可能動詞という呼び名があるそうです。可能動詞は文法的に理解すればいいのでいちいち辞書には載せないというのが多くの辞書の態度だということなんでしょう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%AF%E8%83%BD%E5%8B%95%E8%A9%9E

2017-01-12 01:26

180.12.49.217

ユウ

的野ひと様
感想ありがとうございます。
だらだらと説明してしまうのを無くし、如何に簡潔にまとめられるかを考えて執筆したいと思います。

2017-01-12 05:23

118.151.39.182

ユウ

ポキ星人様

ら抜き言葉では無かったですね。 お手数おかけしました。

2017-01-12 05:26

118.151.39.182

晴れて名無し

失礼しました、落ち着いて考えると「残る」は五段活用なので筆者に問題はありません。
私が言いたかったのは、どうにもこの場合の「強者だけが生き残れるこの世界」という言い回しが冒頭にはあまりにもカッコ悪い、ということです。そこで特に「生き残れる」に違和感を覚えて勘違いしてしまいました、申し訳ありません。おさわがせしました。ボキ星人さんありがとうございます!

2017-01-12 11:40

113.159.214.242

よっち

大きな可能性を秘めている、という印象を持ちました。
映像として想像した時の見せ方がいいですね。
残念なのは、地の文、描写がやたらに仰々しく、無理に盛り上げようとしている部分です。
もっと簡潔に、少ない言葉数で表現するほうが、効果的では?
と思いました。

2017-01-12 13:47

106.139.14.239

ユウ

よっち様
感想ありがとうございます。

やはり如何に少ない描写で表現出来るかが重要なんですね。

回りくどい描写も極力無くして行きたいと思います。ありがとうございます。

2017-01-12 18:02

118.151.39.182

かろ

 戦闘描写はさておき、に感じました。
 誰かがいての存在感っていうか。強くなっても1人だけなら意味ないよっていうメッセージがぼくには。
戦闘描写は、ぼくは、魔法なっちゃうとわかんないです・・・

2017-01-14 01:18

223.135.80.65

ユウ

かろ様
感想ありがとうございます!

絶対的な強さを誇っても、やはり数には勝てないですよねぇ

2017-01-14 06:50

118.151.39.182

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