作家でごはん!鍛練場

『でしょとアフリカの大繁栄』

でしょとアフリカを崇める会著

でしょ

 おれの名前は「でしょ」。探偵だ。いつもは部屋に引きこもってばかりの残念ニートだが、母親に買い物を頼まれて母親が溺愛しているペルシャ猫の「人食い猫」のためのエサを買ってくる毎日だ。
 母親は毎日のようにおれの残念すぎる包茎っぷりを指摘してきて「でもアンタは童貞でしょ?」と自分の子どもであるにもかかわらずまるで廃屋を見るかのような冷たい眼差しをこちらに放ってくる。当たり前のことだ44歳=彼女いない歴のスーパーパワフルな童貞だ。日課はお気に入りのグラビア雑誌の切り抜きで、もう8年以上も同じ女優のみだらな肉体の切り抜きをしている毎日だ。
 いいかげん飽きないのかと父親に言われて、妹からはゴキブリの殺虫スプレーを噴射されたりすることがあるが、いまだにキッチンにへばりついている黒カビのように母親の家に居候させてもらっている。姉貴の子どもはもう成人を迎えたと言うのに、おれは相変わらず悲惨な頭髪をした財産の一切を所有していないニートであって、夕暮れ時になるといつも八百屋や肉屋がひしめきあう商店街を我が物顔で闊歩して活力のある大学生なら絶対に近づかないような雑木林の茂みに侵入し、大好きな茶トラの猫に会いに行く。自宅にいるペルシャ猫はおれのことが大嫌いなようで、おれがネットゲーム三昧で疲れたからだを癒しにリビングに行くと、ソファーの上でくつろいでいたペルシャ猫が全身の毛を無慈悲なほどに逆立てて警戒してくる。おれは猫にすら相手にされないほど絶対的に身分が低い人物として母親の自宅では認知されているらしく、ペルシャ猫はおそらくゴキブリよりも身分の低い生物だとおれのことを認識していることは間違いないだろう。
 最近になって気づいたことがある。それは俺の人生はあまりに不毛で異性との出会いがなく、みるも無残できっと伝説に残るほどワゴンセールでも売れ残る存在だということだ。おれの人生はなんだか敗者復活戦の甲子園バージョンみたいじゃないか。敗者がどの敗者が一番の敗者かを競り合う世界だ。ニートであることを自覚しても、ゴミのような扱いをうけても、それでも家庭にへばりついているおれ。最近になって知ったが、地元のことを語り合うインターネット掲示板では、俺のことは非常に有名人らしかった。そのインターネット掲示板をのぞいてみると「見捨てられた大地を宿した毛髪の人」とか「ねこじゃらしをいつも持ち歩いて雑木林に入る人」とか「足音がズシンズシンとしていてすぐに近づいてきたかが分かる人」だとかの明らかに遺物とみなされている評価がゴロゴロとしていた。よく町中をあるいていると、女子高生や主婦が熱い眼差しを注ぎ込んでくることが合ったが。どうやらこれは俺に対して魅力を感じているのではなく、単純に気持ち悪がられているだけのようだ。
 そんなおれにも楽しみがある。それは「作家でごはん」というサイトに続々と投稿される文学性のかけらのない駄作にキツイコメントをつけてやることだ。ここの作家でごはんというサイトはどうやら俺のように文学の才能に恵まれなかった人物がたどりつく最後のふきだまりのようなサイトで、俺は過去になんども文学賞に応募しているが1次選考すらまともにうかったことがない鬱憤をここで晴らしてやっているのだ。無論、家族のだれもこのような生産的な活動の実態をしらないし、なによりおれは自分よりも若く才能がある存在を許しておくことができるほど社会人として甘くはないのだ。「出る杭はうたれる」これを作家になりたいなどとほざいている未熟なワナビに対してみっちりと教え込まなければならないのだ。それがおれの使命であって避けられない運命のようなものだ。
 作家でごはんのサイトをのぞくと、きょうもおかしな作家きどりがおれの文学性のある物語にはとうてい及びつかないほどの駄作を投稿してやがる。おれは内心笑いながらも先輩としての余裕をみせつけるべく、座椅子に深く座り直して、オトナとしての品格が感じられるようにゆっくりと落ち着いてポテトチップスを袋を開けて、大好きないちごオレを12年間も愛用しているグラスに注いだ。そうして窓の外に目をやり、世界はなんてゆっくりと時間が流れているのだろうという哲学的な悟りの境地に達し、窓からみえるむき出しの崖の風景に対して非常に文学的な洞察をひねりだそうとしたが、やはり真のプロフェッショナルというものはムダに本領を発揮しないものだと自覚し、働かざること山のごとしという真理をついた格言を思い出してディスプレイに向き合った。それから俺の文学性と非常に社会的なメッセージを感じさせる感想と洞察を、作家でごはんに投稿された作品に対して与えてやり、その明らかに無駄になるしかない才能が早いところ現実に気づいてポッキリと折れてやる手助けをしてやった。もちろん、反対意見やおれの真理をついた世界とはまるでかけ離れ、アヘン窟の常連のように退廃した思想をもった反逆因子がおれを突き殺さんばかりの勢いで反論や欠点だらけの正論を述べてきたが、残念ながらおれはこの作家でごはんの古参の住人であって、お前たちとはまったく違い、選ばれし存在なんだよという意識を持ちながら、しっかりと対応してやった。そしては反逆因子を駆逐したあとは、おれはリラックスタイムに突入し、冷蔵庫からイチゴオレのペットボトルをひっぱりだし、英国紳士もベタ惚れするであろう優雅な注ぎ方でグラスに液体を流し込み、その様子をみていたコーヒーブレイク中の母親も見とれたように一心にこちらに視線を注ぎ込み、おれはやはりこのような所作は非常に生まれついての素質があるのだなと自覚せざる終えなかった。
 しかしそのおれの平穏をかき乱したのは、とつぜんやってきた妹だった。
「おい、ハゲデブ。おまえまだお母さんの家にいすわるのか」
 妹の態度はでかかった。確かにおれははげていて、肥満気味だが。アメリカ人のようにはちきれんばかりの肥満ではないし、寒々しい毛髪だってちゃんと毎朝セットアップしているはずだ! なんでそんなひどいことを言うんだ!?
「ハゲデブ、お前がいるせいでお母さんが近所の人たちからどのように言われているのか知ってる? この家は『養豚場』と言われているのよ。ほら、お母さんの姿を改めてみてみなさいよ。あんた毎日のようにメシを作ってもらっているんでしょう! 朝起きて、ヒゲもそらずにそのチンケな髪の毛のセットアップに1時間もかけて、それから当然のようにバリバリむしゃむしゃとお母さんがつくってくれた朝食を食べる。あんたは今日ここを出ていくのよ」
「ま、まって! でもおれはわるくないでしょ! おれが悪いんじゃなくて社会が悪いだ! おれは文学者! そうでしょ!」
「は? は? は? ハゲデブがまだ生き残りたいんですかああああ!」
「お母さん助けて!」
 しかしお母さんが助けてくれることはなかった。そのあとおれのホコリ(誇り)と知性にあふれた布団の敷かれたパソコンルームは見るも無残に妹の進撃により破壊しつくされてしまった。
「なんてことをするんんだあああああ!」
「ふぁー!すっきりしたあ!」
「これはダメでしょおおおおお!」
「あんたはアフリカにでも行ってなさい!」
 ああああ! これはだめし。

でしょとアフリカの大繁栄 ©でしょとアフリカを崇める会

執筆の狙い

でしょ

でしょとアフリカを崇める会

153.202.82.217

感想と意見

アフリカ

良かった!

うどん!売ってる!

食べたら感想を出します

ありがとうございます!

2017-01-10 21:21

125.198.200.149

でしょとアフリカを崇める会

自家製のしっかりしたうどんなのですごい評価を期待しております

2017-01-10 21:25

153.202.82.217

アフリカ

拝読(完食)しました。

先ずは……

アフリカの文言が……一言のみ……

まぁ、そうですよね……
僕なんて、他の方に比べたら暑苦しいだけの存在だし……まぁ、良いんですよ(×_×;)

内容的には
嫌味に切れがない気がします。
面白いにも、ムカつくにも振れない、ふーん(-_-)って気配がしててイラつかせる為に書いたのなら失敗してるのかも……

個人的には「包茎」の行で、すっごい昔に読んだ漫画の台詞「包茎はチンコの鎧だ!!」ってのを思い出せて何だか懐かしくなっちゃいました。
鎧を身に付けてた頃は色々な事を考えなくて良かったから幸せだったな……今は面倒臭いことばかりで憂鬱

後、ポテチの行は完全に僕が自宅で映画鑑賞するときとリンクしてフフフとなりました。

後……気付いたのは……

ん~

キャラクターの設定がゆるい気がします。
僕は○○……で、始まる物語ならそのキャラクターに魅力が無ければ完全にその時点で小説?と言うか物語に魅力が無くなる。違います?
書き急いだのは分かるのですが少し練り込みが足りなかったかも?です。

うどんとしては……

素うどん……くらいかな?

でも、僕は肉うどんとか、天ぷらうどんより、素うどんが好きですけどね

ありがとうございます

2017-01-10 21:55

125.198.200.149

飛水 一楽

すみません、なんか面白かった(そのまま)です。

2017-01-10 22:25

126.216.230.92

でしょとアフリカを崇める会

素うどん(具なしうどん)ですか。たしかに人喰い猫さんにもたいしてブチ切れているわけではないので本気だせなかったかもです。

アフリカさんは全然未登場でタイトル詐欺っぽくなってしまいました。次は天ぷらうどんくらいのうどんを作りたい出す

2017-01-10 22:27

126.247.208.56

晴れて名無し

お笑いの才能に欠けると目も当てられませんね。

2017-01-11 14:25

113.159.214.242

でしょ

ここばっか黒くてむしろムカつくので黄色の魔法
てめえのコンプレックスも飼い殺せないクソが恥晒しまで中途半端とかアホかと思うよねー

2017-01-12 18:54

122.131.211.113

アデキュー

伝言板でアフリカさんと会話したいのですが、接続元情報が公開されるというのはどういうことなんでしょう?

2017-01-14 21:51

223.218.131.15

アフリカ

……あぁ……見られるとヤバイような情報は……

例えば「殺巣!」とかhttp://www.geocities.co.jp/WallStreet/4845/odio/kinku.html

粘着されるのは苦手ですが
ある程度はタイミングさえ合えば返信いたしますので是非どうぞ

2017-01-15 06:56

49.104.28.217

アデキュー

個人情報とか公開されますか?

2017-01-15 20:04

223.218.131.15

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