作家でごはん!伝言板

ひつじ――睡眠導入用オブジェ、ストレイシープ、そして永遠に追いつけない夢

そうげん

交響詩《ドン・キホーテ》作品35

第二変奏〈羊の群れに対する冒険〉

「ドンキホーテは、羊の群れを敵の大群と信じて、
突っ込んで行く。啼きながら逃げまどう羊の描写が秀逸である。」

ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 / カラヤン 指揮
リヒャルト・シュトラウス
歌崎和彦(1987) / ライナーノーツ



村上春樹「羊をめぐる冒険」

「そして今日でもなお、日本人の羊に対する意識はおそろしく低い。要するに、歴史的に見て羊という動物が生活のレベルで日本人に関わったことは一度もなかったんだ。羊は国家レベルで米国から日本に輸入され、育成され、そして見捨てられた。それが羊だ。戦後オーストラリア及びニュージーランドとのあいdふぁで羊毛と羊肉が自由化されたことで、日本における羊育成のメリットは殆どゼロになったんだ。可哀そうな動物だと思わないか? まあいわば、日本の近代そのものだよ。
 しかしもちろん、私は君に日本の近代の空虚性について語ろうとしているわけじゃない。私のいいたいのは、幕末以前には日本には日宇辻はおそらく一頭も存在しなかったということと、それ以後輸入された羊は政府によって一頭一頭厳重にチェックされていたという二点にある。このふたつが意味するのは何だ?
 それは僕に対する質問だった。「日本に存在する羊の種が全て把握されているということですね」」

「第六章 羊をめぐる冒険2 - 1 奇妙な男の奇妙な話(1)」より抜粋



羊、冒険。

たしかに一致しているか――。
急に入ってきた羊を追い回すも、その羊の影を追い回しつづけて
徒労に終わったのが、戦前の日本だと、捉えて、村上氏が
小説を書いたとしたら、わかる気もするなあ


でも、羊でなくても、
なにか追いたてるものでもなければ、
締まりもしないということもある。