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女による女のための R-18文学賞
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一次通過
『怨言』18枚
斉藤明子著
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初めて祖母に負ぶってもらった日のことを、私は今も鮮明に思い出すことができる。知り合いの葬式の帰りのことだった。祖母は私を負ってバスに乗った。バスは混んでいて、しかも今のように優先席のようなものもなくて、祖母は黙って立っていて、私は下りるべき停留所を数えていた……。
野生時代青春文学大賞
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第1回一次通過
『自殺日記を書きましょう』190枚
森島章寛著
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さて、そろそろ死のうかと思ったのでこれを記す。私は坂東洋子。市内の公立中学に通う、十四歳の中学二年生である。遺書なのだから死ぬ理由をこれから書かなければならないのだが、実は私にこれと言って理由は無い。別に家が貧乏でお金が無いとか……。
小説すばる新人賞
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一次通過
『amnesia』206枚
森島章寛著
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今はまだ、醜い芋虫。やがて更に醜い蛹になる。けれどもいつの日か。私は美しい蝶になる。ああ。私が。私が壊れていく。崩れていく。ゆがんでいく。ひずんでいく。撓んでいく。ねじれていく。裂かれていく。流れていく。侵されていく。やぶれていく。潰れていく……。
文学界新人賞
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第86回最終選考
『ベランダ』83枚
山城真道著
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退屈は十月の第三土曜日を境に妙な角度から崩れていった。 その日僕は寝坊した。時計を見て逆算すると、どう急いでも一時間目に二十分は遅れることが分かった。どうせ遅れるのならとのんびりしていると四十分近く遅れて学校の教室に着いた。一時間目は体育なので教室には……。
すばる文学賞
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第28回二次通過
『最後の脚本』131枚
ナチ著
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私は眠りにつこうとしている。目は閉じられ、すっと糸が引くように意識が無くなろうとしている。でも、いつも何かに邪魔されて眠れない……闇の世界に、あちら側に行きたいのに。だから私は考えた。解放される方法を。でも……。私一人だけでは、眠れそうにない……。
北日本文学賞
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第37回三次通過
『赤い傘』30枚
さとう惇子著
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天気予報では晴れのはずなのに、午後からは空模様が怪しくなり、夕方から本格的に雨が降り出した。残業を終えてロッカールームへ行ったが誰もいない。みんな要領よく理由を作って帰ってしまったのだ。外の様子を見ようとブラインドに指を挟み、隙間から通りを見下ろしていたが……。
朝日新人文学賞
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ニ次通過
『The Closed Tower』195枚
HYOTA著
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オレンジ色の電数が2、3、4と移動する。その場にいる男達は魅入られたようにその電数を目で追っている。薄暗い。夜が明けてまだ、間もない午前5時50分。窓から入り込む陽光は弱く、各階中央部分にあるエレベーターホールまでは届かない。「持田君、写真をとっておきたまえ。」……。
江戸川乱歩賞
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第46回一次通過
『彩りの考察』549枚
細矢文瀬著
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煙草を吸っても、珈琲を飲んでも、苛立ちは一向に収まる気配を見せなかった。こんな気分だけに、僅かに鱗雲が浮かぶ程度の晴れ渡った青空が酷く不快で、片桐音也はネルシャツの胸元に挿していたサングラスを無造作に掛ける。若干視界が閉ざされて、周囲の喧噪からも少し間を置いた気分になれた……。
日本SF新人賞
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一次通過
『空の光に想いを馳せて』455枚
永井佑紀(HN 闇米)著
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球体が、浮上する。上空五百メートル。恒星が惑星を従えるように、球体は自身の周囲に一回り小さな球体を複数侍らせている。エブロフェンは球体の各種センサーで都市を見下ろしていた。青白い高層ビルが建ち並び、その隙間には整備された道路が縦横に走っている……。
ウィングス小説大賞
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第27回二次通過
『黎明の浜』80枚
酒盛日和著
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昨夜は、ひどい嵐だった。ろばのヨウに乗り、ロゼは早朝の浜辺に散歩に出た。嵐の後は、珍しいものが打ち上げられたりするのだ。波打ち際に、大きな黒い塊。「なんだろう」ロゼは目を細め、相棒のビィーに話しかけた。ビィーは、黒い塊めがけ駆け出した。「うわん!うわん!」早く来いと呼んでいる。黒い塊は、漂流者だった……。
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四次通過
『LADY BE GOOD』150枚
(名前非公開)
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その街はいつだって霧に閉ざされていた。その街には光が届かなかった。その街には夜しかなかった。夜の訪れとともに、その街は目覚める。そうして霞がかった風と共に、何かが音も立てず夜の闇に消えていく。暗黒街。光の中に住む人々はその街、バノム街をそう呼ぶ……。
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三次通過
『天使になる日』108枚
犬頭8著
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ベッドの上の小さな体には幾本もの管が突き刺さり、シーツの白に幾本もの軌跡を描いていた。 青ざめやつれた顔の半分を覆う酸素マスク。その枕元で機械は鳴り響き、白衣の人間達はケンカのように激しく言い合いながら必死でそれぞれの仕事をこなす。母親は涙を堪えながら彼の名を呼んでいた……。
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三次通過
『五番目の女神−夢の果ての夢』145枚
桂木香椰著
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真夜中の路地を、ただただリンカは走っていた。不恰好な石を敷き詰めただけの、石畳。泥水のたまったへこみに、サンダルのつま先が引っかかる。茶色した水が、くるぶしを汚す。夜気に冷、その冷たささえも感じない。喉が、荒い息で痛む。体は疲れ果てて休むことを要求しているのに……。
ティーンズハート大賞
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三次通過
『さよなら、大好きなひと』250枚
小坂尚子著
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さよなら、あたしの大好きなひと。本当はずっと一緒にいたかったよ。だけど、そんな些細なことさえ叶わない願いだった。どうして? そんなのあたしになんかわからない。 きっとあなたもわからなかったよね。一緒に泣いたあの夜のこと、あたしは一生忘れない……。
電撃hp短編小説賞
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第5回一次通過
『市立探偵物語』81枚
南皆星達著
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貴方は、市立探偵事務所というものを知っているでしょうか。いや、私立探偵ではなく市立探偵、です。正式名称は市役所市民生活部市民センター出向機関という長ったらしい名前で、その職務は市に対する市民の行政への要望や陳情、助力の要望等……早い話が、市が運営するボランティア機関……。
ファミ通エンタテイメント大賞
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ニ次通過
『スプリント&ドリフト』276枚
新高太郎著
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腕が千切れて、投げた球と一緒に飛んでいきそうな錯覚さえ覚える。肘も肩も限界だった。いや、限界をとっくに越えていた。菱谷圭一は呼吸も荒く、マウンド上に立ちつくしていた。膝を押さえて背を丸めないのは、まだ余力を残しているからではない。一度その姿勢をとってしまえば、二度と顔をあげることも……。
ジャンプ小説大賞
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一次通過
『DEAR PYCHOPATH』190枚
鎌田庸著
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乾いた風が、僕の耳をかすめてとおった。たった今夢から覚めたような気分で、ゆっくり辺りを見回す。その風景はおぼろげではあるが、確かに僕の知るものだった。風がそよぐ度に微かに揺れる、広大で青々とした芝生の絨毯。女性の優美な胸にも似た丘の連なり。そしてそれを……。
ノベル大賞
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二次通過
『COUNT UP』102枚
鷹月秋夜著
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3853、3864、3865… カウントする。頭の中で一つ一つ増えていく数字。 10000数えたら、2時間46分40秒。横断歩道の真向かいにそびえたビルにかかっている時計の秒針の動きを見つめながら、俺はタイル張りの歩道に座り込んでいる。もたれているシャッターは……。
コバルト短編小説新人賞
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もう一歩
『フキダシふわふわ』30枚
久保田弥代著
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由子は高校の屋上に一人座り、しくしく泣いていた。昼休みである。しゃがみ込み、腰の高さのコンクリート壁によりかかって泣いている。めそめそ。彼女のあだ名は《泣き虫ゆうちゃん》。今年の誕生日で十七歳になるのだが、「生まれたての赤ん坊の方がよっぽど我慢強い」と……。
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もう一歩
『first love』29枚
杉並らいむ著
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試着室のくすんだ茶色のカーテンを引き、大きな姿見の前に立つ、六月の花嫁。薔薇のコサージュで縁取られた淡いピンク色のドレスはまるでお菓子のお城みたいだ。でも、彼女はそんなことにおかまいなしで、一人夢心地……。
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もう一歩
『マンガニーズブルー』30枚
揺月凪著
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「君の空の色は素敵だね。僕の田舎で見た磐梯山の山の色に似ているよ。マンガニーズブルーのいい空だ」その教師は縁のない眼鏡を少し押し上げながら、私の絵を見て言った。「マンガニーズブルーって、初めて聞きましたけど」 「それは、もっとも濁りのない青のことさ……。
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もう一歩
『2DAYS MOTHER』30枚
大河渡著
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――お母さん。あたし今、幸せだよ―― 真冬にしては、暖かな早朝。前日までに降り積もった雪が水となって流れ出ている。その日、高校の日直だったあたしは、同じ日直当番の慎を引き連れて朝早く登校した。あたしと慎は小学校からの腐れ縁、いわゆる幼なじみだ……。
etc
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三次通過程度
『Theスニーカー』企画物 187枚
南條セトラ著
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なぁ、かおりー。いつまでもビービー泣いてんなよ。ああー、もう、オレが泣かせたみたいじゃんかよっ! 泣くなったら! あんないじめっこたちなんか、いつかきっと、ロケット・ライダーがやっつけてくれるんだからさっ! 「……ロケット・ライダー?」お、おう。こーんなゴーグルと白いマフラーで……。
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